浜名湖観光に新戦略案 ツーリズムビューロー報告

 観光庁の認定を受ける浜名湖観光圏(浜松市・湖西市)の事業を協議する浜名湖観光圏整備推進協議会(会長・中野祐介浜松市長)は15日、2023年度の第2回会合を開いた。23年度で解散する予定の同協議会の事業を集約する形で担うことになる観光地経営組織(DMO)「浜松・浜名湖ツーリズムビューロー」が24~28年度の新たな観光事業戦略「海の湖観光戦略」案を報告した。
 「海の湖」は同観光圏のブランドコンセプト。両市の基本計画・構想の実現に向け、戦略の目的には「浜松・浜名湖エリアを『訪れてよし、住んでよし』の魅力ある地域に」を掲げ、稼げる地域、訪問客に選ばれる地域、観光産業を担う人材の発掘と育成を目指す。柱には「観光地域づくり」「観光資源の効果的なPR」「観光デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」を据えた。
 計画区域は舘山寺、市街地、表浜名湖・湖西、奥浜名湖、天竜・浜北の五つに設定。既存の観光資源に新たな視点を加え、ストーリーを紡ぐことで、浜松・浜名湖エリアならではの体験価値を生み出し、誘客を推進することを行動指針として定めた。各年度のアクションプランも策定する。
 エリアの特徴として自然や歴史、アクティビティ、食などの多様な観光資源を「強み」として捉える一方、宿泊観光客の少ない点を課題に挙げ、国内、インバウンドなど市場別戦略を展開する方針も盛り込む。
 09年度に初認定を受けた同観光圏はこれまでに2回の認定更新を行ったが、今年8月、DMOとの事業重複などを理由に来期は更新を行わない方針を決めた。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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