記者コラム「清流」 誰もいない山奥で 

 10月中旬、電波が入らない山奥の市道でバイクの単独事故が発生し、運転していた60代の男性が亡くなった。勾配のある急カーブで曲がりきれず、転倒したとみられる。事故当日、現場に向かうと男性の血が地面に流れていた。
 事故現場は浜松市天竜区龍山町の市道で、民家が周囲にない林の中。都市部で事故を起こした場合と比べて発見や救助が遅れた可能性は高い。警察や地元関係者による事故の現場診断に立ち会うと、出席者の一人は「ここで事故を起こしたら、助けを求めることは難しい」と語っていた。
 運転中の油断は禁物。以前、交通安全に関する表彰を受けた事業者を取材した際、運転時の体調や運転距離を記録させるなど小さな工夫があった。自分も公私で車が欠かせない。緊張感を持って運転し続けたい。
 (水窪支局・大沢諒)

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