記者コラム「清流」 夢をかなえるよりも

 夢をかなえるよりも大事なことは、人に優しくすること―。母校の芳川北小(浜松市南区)で児童の目をまっすぐ見つめ、語りかけたのはJ1復帰を決めたジュビロ磐田の主将山田大記選手。国内外の厳しいプロの世界で戦ってきた山田選手は、思いやりの心を持つ大切さを訴えた。その言葉を聞いた児童は「明日からは笑顔で周りの誰かを助けたいな」とほほ笑んだ。
 山田選手が学校を去る時には熱き小さなサポーターたちが列を作って待ち構えていた。「喜ぶかな」と顔を見合わせたり、チャントを大声で熱唱し始めたりした。周りは拍手で見送り、その場の誰もが“ホーム”の雰囲気を楽しんでいた。
 夢をかなえ、第一線で活躍する先輩が大切にしてきたことは、確かに後輩に受け継がれている。
(浜松総局・小林千菜美)

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