バスケ・全国高校選手権 女子浜松開誠館、男子藤枝明誠が白星スタート 浜松学院は敗退

 バスケットボールの全国高校選手権は23日、東京体育館などで開幕し、男女の1回戦を行った。静岡県女子代表の浜松開誠館は慶進(山口)を85―53で破り初戦突破。男子代表の藤枝明誠は鳥羽(京都)に100―64で快勝し、2回戦へ駒を進めた。浜松学院は正智深谷(埼玉)に72―87で敗れた。浜松開誠館は24日の2回戦で京都精華学園と対戦。藤枝明誠は25日の2回戦で埼玉栄とぶつかる。
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浜松開誠館 “飛び道具”炸裂 序盤から突き放す photo03 浜松開誠館―慶進 第3クオーター、シュートを決める浜松開誠館・前川
 ▽女子1回戦
浜松開誠館 85(25―5 21―17 24―14 15―17)53 慶進(山口)

 女子の浜松開誠館は30点差以上をつける快勝で6年連続の初戦突破を果たした。開始から8分近く相手をフリースローの1点のみに抑える堅い守備に加え、スタメン5人全員が3点シュートを決めた。その“飛び道具”5本を第1クオーターに集めて突き放した。
 口火を切ったのは、1年生の前川だ。上級生でも緊張する重苦しい雰囲気を打ち破る、開始間もない3点シュート。直後にも連続ゴールを押し込みチームを勢いに乗せた。「3点シュートはチームの強み。どんどん打つ」。井口主将の後輩にあたる強豪の三重四日市メリノール中出身。中学時代に全国制覇の経験がある縁起のいい会場で13点を稼ぎ、堂々のデビューを飾った。
 今年のチームは得点源のエース後藤が内角で構える分、マークが手薄になる外角からの攻撃が生命線。6本の3点弾でチームトップの18点をマークした井口主将だが「簡単なシュートを外しすぎた」と厳しく振り返る。
 2回戦で待ち構えるのは連覇を狙う京都精華学園。毎年のように対戦しているが、はね返されてきた高い壁だ。次戦ではこの日、3割に満たなかった3点シュートの成功率が4割近くにならないと、太刀打ちできないと三島監督は予想。「全員で打っていきたい」と指揮官。空中戦で負けるつもりはない。(運動部・名倉正和)

8人で臨んだ慶進 「力を出し切れた」
 女子で今大会最少の8人で挑んだ慶進は序盤から浜松開誠館の厳しい守備に圧倒された。フル出場で両チーム最多の25点を挙げた主将の渡辺は「悔しいが、最後の試合で力を出し切れた」とすっきりした表情で話した。
 学校がスポーツから進学に力を入れる方針に変わり、今の3年生を最後に目立った部員募集をしなかったという。定年退職のため、この試合が最後の指揮となった村谷監督は「8人で練習するのも難しい中、選手はよく頑張ってくれた」とねぎらった。
浜松学院 7年ぶり大舞台 食らいつくも序盤の失点響く photo03 浜松学院―正智深谷 第3クオーター、攻め上がる浜松学院・大倉(右)
 ▽男子1回戦
正智深谷(埼玉) 87(26―14 19―16 18―26 24―16)72 浜松学院

 東海高校総体優勝県に与えられる2枠目で7年ぶりに出場した浜松学院だったが、初戦で全国の壁に屈した。指揮官として2度目の大舞台に臨んだ森下監督は「雰囲気に入り込むのに時間がかかった。前半の失点をもっと抑えられていたら」と振り返った。
 目標だった1クオーター15失点以内は出だしで狂った。高さで圧倒され、ドライブで切り裂かれ、第1クオーターだけで26失点。ミスマッチを突かれた大倉主将は「初めての大きな舞台で冷静にできなかった」と悔やむ。それでも、4本の3点シュートを含むチームトップの23点を挙げて後半、一時5点差まで追い上げた。
 7年ぶりの白星はならなかったが、泥くさいプレーを徹底し、体格で上回る強豪に食らいついたのは、胸を張っていい。1年生の司令塔、西垣は主将に次ぐ17得点の出来に自信を深めた様子。「後半はリバウンドが取れて走れて流れが良くなった。もう一回この舞台に戻ってくる」と力強く出直しを誓った。(運動部・名倉正和)

父はスラムダンク作者 駒苫主将の井上、敗退に涙
 人気高校バスケ漫画「スラムダンク」作者、井上雄彦さんの次男慶邦が主将を務める駒大苫小牧は、初戦で散った。「3年間積み上げてきたものがこういった形で終わってしまうのが本当に悔しい」。声をからして声援を送り続けた観客席に向かって一礼すると、目頭を押さえた。
 広島皆実の厳しい守備に苦しんだ。3点シュートは成功率15%と不発。ベンチスタートの主将は4分39秒の出場にとどまり、3点シュートも3本放って成功はなしと、チームを勝利に導く働きはできなかった。
 目標の8強には届かなかった。精神的支柱として、50人を超える部員をまとめてきた井上は「本当に支えてもらってやってきた主将だった。最後にみんなに恩返しをできなかったのがつらい」と目を赤くした。

 ▽男子1回戦
藤枝明誠 100(20―12 28―20 35―11 17―21)64 鳥羽(京都)
鳥取城北 90―67 習志野(千葉)
京都精華学園 92―47 帝京長岡(新潟)
土浦日大(茨城) 87―72 能代科学技術(秋田)
八戸学院光星(青森) 80―73 川内(鹿児島)
埼玉栄 91―52 高松工芸(香川)
別府溝部学園(大分) 90―59 奈良育英
育英(兵庫) 75―71 九州学院(熊本)
高岡第一(富山) 106―76 一関工(岩手)
美濃加茂(岐阜) 85―72 延岡学園(宮崎)
福島東稜 94―52 宇部工(山口)
尽誠学園(香川) 82―59 美来工科(沖縄)
広島皆実 81―72 駒大苫小牧(北海道)
和歌山南陵 77―65 成立学園(東京)
新田(愛媛) 90―79 出雲北陵(島根)
宇都宮工(栃木) 82―45 光泉カトリック(滋賀)
明徳義塾(高知) 87―80 東海大札幌(北海道)
八王子学園八王子(東京) 73―71 北陸(福井)
羽黒(山形) 75―65 佐賀北

 ▽女子1回戦
岡豊(高知) 63―59 東京成徳大高 
鵠沼(神奈川) 88―83 聖カタリナ学園(愛媛)
足羽(福井) 93―84 埼玉栄
和歌山信愛 56―38 一関学院(岩手)
鹿児島 84―75 福島東稜
東海大諏訪(長野) 60―56 奈良文化
安城学園(愛知) 95―94 鵬学園(石川)
日本航空石川 79―63 仙台大明成(宮城)
作新学院(栃木) 70―69 開志国際(新潟)
下妻一(茨城) 73―69 日本航空北海道 
千葉経大付 72―62 精華女(福岡)
明星学園(東京) 72―63 秋田中央
鳥取城北 84―60 島原中央(長崎)
京都両洋 113―99 清水ケ丘(広島)
三田松聖(兵庫) 69―50 山形中央
星城(愛知) 92―74 英明(香川)
聖和学園(宮城) 99―82 市前橋(群馬)
岐阜女 102―62 富岡東(徳島)
石川(沖縄) 92―87 済美(愛媛)
東海大福岡 82―73 四日市メリノール学院(三重)
柴田学園大柴田学園(青森) 70―49 龍谷富山
大阪桐蔭 91―59 松徳学院(島根)
土浦日大(茨城) 71―68 倉敷翠松(岡山)
明豊(大分) 77―76 市船橋(千葉)
広島皆実 87―66 小林(宮崎)
滋賀短大付 78―63 佐賀清和
日本航空(山梨) 65―60 慶誠(熊本)

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