⚽静岡学園が2回戦敗退 PK戦で広島国際学院に3-4 全国高校サッカー選手権

 サッカーの全国高校選手権第3日は31日、千葉県柏の葉公園総合競技場などで2回戦16試合が行われ、静岡県代表の静岡学園は広島国際学院にPK戦の末に敗れた。前回大会王者の岡山学芸館は尚志(福島)に2-1で逆転勝ちし、1月2日の3回戦に進んだ。神村学園(鹿児島)は松本国際(長野)に2-0で勝った。
 2大会ぶりの優勝を狙う青森山田は飯塚(福岡)、夏の全国高校総体を制した明秀学園日立(茨城)は東海大大阪仰星に、それぞれPK勝ちした。初出場の名古屋(愛知)のほか、市船橋(千葉)などもベスト16入りした。
▽2回戦
 広島国際学院 1(0―0 1―1)1 静岡学園
 (PK4―3)
 ▽得点者【広】石川【静】庄

広島国際学院―静岡学園 後半、競り合う静岡学園・神田(左)=31日午後、さいたま市の浦和駒場スタジアム(写真部・小糸恵介)
 【評】静岡学園は攻め続けたが追加点を奪えず、PK戦で広島国際学院に屈した。
 前半からボール支配率で大きく上回った。17分のピンチをGK中村の好セーブでしのぐと、25分にCKからDF水野が頭で合わせたがクロスバー。終了間際のMF高田のFKもGKに止められた。
 後半9分に失点したが、15分にMF庄のゴールで同点。その後も攻勢を仕掛け、31分にFW神田が決定機を迎えたがポスト。PK戦に3―4で敗れた。

⇒【写真特集】静岡学園、攻め続けるもPK負け(12月31日)

追加点遠くPK戦で涙 「チャンスに勝負かける力 足りず」
 最後まで静岡学園らしい攻撃的スタイルを貫いたが追加点を奪えず、川口監督は「点を取れなかったことがすべて」と敗因を見つめた。
PK戦の末、広島国際学院に敗れて肩を落とす静岡学園の選手=31日午後、さいたま市の浦和駒場スタジアム(写真部・小糸恵介)
 FW2人を残してほぼ9人でゴール前を守る広島国際学院に対し、圧倒的に攻め続けた。個人技を生かしたドリブルにショートパス。再三、観客席を沸かせたが、最後の壁を崩しきれなかった。
 中盤が流動的にポジションを変え、敵陣でボールを回し続けたが、1得点止まり。攻撃のリズムをつくったJ2徳島入りするMF高田が「チャンスに勝負をかける力が足りなかった」と唇をかめば、J1川崎内定のエース神田もチーム最多のシュート6本を放ちながら無得点に終わり、「自分の実力が足りなかった。何度も好機を外し、みんなに申し訳ない」と涙をこらえた。
 相手の2倍以上のシュートを放ちながら唯一の失点は警戒していたカウンター。DF大村は「最後は気持ちの強さ。全国選手権は甘くなかった」と赤い目で振り返った。
 「守りを固めた相手をこじ開けるのは難しいが、それをやるのがうちのサッカー」と指揮官が前を向けば、来季J1東京Vに進むGK中村も「この1年間、サッカーに向き合い背中で引っ張ってきた。後輩はこの悔しさから感じてくれるはず」と道半ばで途絶えた目標の日本一を次に託した。

庄、技ありループ同点弾
 小柄なドリブラー庄が大舞台で技ありのシュートを決めた。先制を許した6分後、森崎の縦パスからDF2人の間を切り返しで抜くと、利き足と逆の左足でGKの頭上を狙いループ。起死回生の同点弾に「慌てず自分たちのペースで攻め続ければ追い付けると思った。イメージ通り」と胸を張った。
広島国際学院―静岡学園 前半、攻め込む静岡学園・庄(右から2人目)=浦和駒場スタジアム(写真部・小糸恵介)
 県大会直前にAチームへ上がり、全国選手権でレギュラーをつかんだ。得意のドリブルで何度も仕掛け、相手ファウルを誘ってFKの好機もつくったが勝利をつかめず、「もう少し先の景色が見たかった」と悔しがった。
 大学でも競技を続ける予定で、「自分の力は出し切った。経験を生かし、プロを目指したい」と決意を新たにした。
(寺田拓馬)
▽2回戦
 富山第一 2(0―1 2―0)1 京都橘
 ▽得点者【富】谷保、多賀(PK)【京】西川

 名古屋(愛知) 3(1―0 2―0)0 北海(北海道)
 ▽得点者【名】小川、仲井、原

 青森山田 1(0―0 1―1)1 飯塚(福岡)
 (PK5―3)
 ▽得点者【青】米谷【飯】原翔

 明秀学園日立(茨城) 1(0―1 1―0)1 東海大大阪仰星
 (PK6―5)
 ▽得点者【明】飯田【東】小林

 神村学園(鹿児島) 2(2―0 0―0)0 松本国際(長野)
 ▽得点者【神】名和田、有馬

 昌平(埼玉) 1(0―0 1―1)1 米子北(鳥取)
 (PK4―3)
 ▽得点者【昌】長璃【米】柴野

 堀越(東京A) 0(0―0 0―0)0 初芝橋本(和歌山)
 (PK8―7)

 市船橋(千葉) 1(0―0 1―1)1 帝京長岡(新潟)
 (PK5―4)
 ▽得点者【市】佐藤【帝】水川

 ノースアジア大明桜(秋田) 2(0―0 2―0)0 名護(沖縄)
 ▽得点者【ノ】目黒、臼田

 神戸弘陵(兵庫) 2(1―0 1―0)0 前橋育英(群馬)
 ▽得点者【神】藤本、馬場

 大津(熊本) 1(1―0 0―0)0 遠野(岩手)
 ▽得点者【大】古川

 佐賀東 3(2―1 1―0)1 帝京大可児(岐阜)
 ▽得点者【佐】右近、甲斐桜、田口【帝】加藤

 岡山学芸館 2(1―1 1―0)1 尚志(福島)
 ▽得点者【岡】木下2【尚】冨岡

 近江(滋賀) 1(0―1 1―0)1 日大藤沢(神奈川)
 (PK4―3)
 ▽得点者【近】山門【日】布施

 星稜(石川) 1(0―0 1―1)1 四日市中央工(三重)
 (PK3―0)
 ▽得点者【星】南【四】OG

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