地震防災対策や研究成果紹介 静岡県立大がシンポ 災害情報活用法も議論

 静岡県立大グローバル地域センター(静岡市葵区)は13日、南海トラフ地震を想定した国の防災対策や同大の研究成果などを市民に紹介するシンポジウム「みんなでつくる地震津波防災」を静岡市清水区で開いた。県内の自治会や企業関係者ら約120人が参加した。

南海トラフ地震発生時の災害情報活用法などについて専門家が解説したシンポジウム=静岡市清水区
南海トラフ地震発生時の災害情報活用法などについて専門家が解説したシンポジウム=静岡市清水区

 同大が文部科学省の委託事業「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト」に参加していることから企画した。静岡地方気象台の石川聡南海トラフ地震防災官は、大地震発生の可能性が通常より高まった時に発表する南海トラフ地震臨時情報について解説。「臨時情報は予知情報ではない」と強調し、発表後1、2週間たっても何も起きない場合もある一方、発表前に大地震が起きる可能性もあると説明。家具の固定や建物の耐震化などを例に「被害を減らすため日頃から備えを」と訴えた。
 防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の高橋成実上席研究員は地震津波観測網DONETを使った津波即時予測システムを紹介。駿河湾などでは地震発生から数分後に津波到達の恐れがあるため、過去の地震などを参考に津波の動きをあらかじめデータベース化し、地震発生直後に津波の高さや浸水エリアなどを迅速に予測するシステムの実用化を目指しているとした。「情報をどう使いこなすのかが大事。訓練を通じた検証も必要」と語った。
 県や静岡市の防災関係職員を交えたパネル討論も行い、災害情報活用の在り方などについて意見交換した。
 (社会部・瀬畠義孝)

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