能登の塩販売、全額寄付へ 松崎の精肉店「少しでも被災地の力に」

 松崎町の精肉店「アサイミート」は21日、能登半島地震で被害に遭った石川県珠洲市から取り寄せている塩を販売し、被災地に全額寄付する取り組みを始める。店主の浅井真さん(62)は「長らくやりとりをしている縁のある地域。少しでも力になりたい」と言葉に力を込める。

能登半島地震で被災した石川県珠洲市から取り寄せている塩を見せる浅井さん=松崎町のアサイミート
能登半島地震で被災した石川県珠洲市から取り寄せている塩を見せる浅井さん=松崎町のアサイミート

 販売する「大谷塩」は、珠洲市の中前製塩が能登半島北部・奥能登の伝統的な製法で手がけた。浅井さんは肉のおいしさを引き立てるとされる塩にこだわり、珠洲の塩の存在を知って2015年に取り扱いを開始した。
 マグネシウムやカルシウムなどのミネラルを豊富に含んでいる品で、「甘みのある優しい味が魅力で、製法にこだわりを感じた」と浅井さん。店内で加工するローストビーフなどにも使用している。
 浅井さんは中前製塩の中前賢一さんから直接仕入れを続けてきた。中前さんは被災したとみられ、地震後は連絡が取れていないという。浅井さんは「手間暇かけて塩の製造に取り組んでいる〝職人〟。ゆかりのある人がいる地域のために何か行動しなければいけないと感じた」と語った。
 約50袋を販売する。1袋150グラム入り。580円(税込み)。

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