津波、4m超まで浸水 能登の大規模被害地区 静岡大准教授ら実測

 静岡大防災総合センターの原田賢治准教授(津波工学)と同センター長の北村晃寿教授(地質学)は20~22日、能登半島地震の被災地で津波が浸水した高さの測量調査を行った。低地の集落一帯が大規模な被害を受けた能登町白丸地区では、立ち木に付着した海藻などの高さを実測し、地盤からの浸水深で2・67メートル、海抜で4・15メートルの高さまで浸水したことを確認した。
  photo01 木に付着していた海藻の高さを測る静岡大の原田賢治准教授。すぐ左の屋根瓦もほぼ同じ高さまで流失している=22日、石川県能登町(北村晃寿教授提供)   photo01
 原田准教授らは珠洲市4カ所と能登町3カ所で測量を実施。このうち海岸に面して海抜1・4~1・6メートルと低い同町白丸地区では、道端の木の上部にホンダワラとみられる海藻が複数付着していた。木の横の建物も、屋根瓦が海藻とほぼ同じ高さまで崩れ落ちていたことから、浸水の高さを明確に示す痕跡と推定した。
 珠洲市や能登町などの被災地では今月上旬、土木学会の調査グループが津波の高さを計測し公表したが、多数の家屋が壊滅的な被害を受けた白丸地区は含まれていなかった。原田准教授らは同地区など測量データが公表されていない地域を補完する目的で調査した。
 北村センター長は「津波の痕跡は雨や雪で消えてしまう恐れがある。甚大な被害を受けた地域の被災の記録を早めに残すことができてよかった」と話した。
 (社会部・瀬畠義孝)

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