記者コラム「清流」 疑問、怒りは原動力

 「米軍だから、どうせ説明してくれない」。パラシュート降下訓練中の米兵が東富士演習場外に降りた問題で、こんな声が取材先から漏れてきた。過去に問題が起きた際に十分な説明がなかったことから、米軍関係事案になると諦めのような空気が漂う。だが、適切な対応を求めなければ、それが前例になり、やがて当たり前になる恐れがある。
 同じことは、繰り返される「政治とカネ」の問題にも言える。「政治家だから仕方ない」と片付けてしまえば思考が停止し、注視すべき再発防止の動きに目が行き届かなくなってしまう。問題に関係ない大多数の政治家に失礼だと思う。
 理解できない時や釈然としない時は疑問を持ち続け、正しくないことには素直に怒る。そんな姿勢が、よりよい社会をつくる大きな原動力になると信じたい。
(東部総局・矢嶋宏行)

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