脱炭素へ中小支援充実 浜松市 常設窓口、補助制度 24年度予算案 3300万円計上へ

 2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向け、浜松市は24年度、市内中小企業の脱炭素経営を支援する事業を充実させる。常設の相談窓口を開設したり、金融機関からの融資手数料を補助する制度を創設したりして、中小企業をきめ細かく支援していく。24年度一般会計当初予算案に関連費用として計約3300万円を計上する。29日までの関係者への取材で分かった。

 市などによると、多くの中小企業は知識不足や人材・資金面を理由に脱炭素化に二の足を踏んでいるのが実情。そのため、常設相談窓口の開設によって温室効果ガス削減計画の策定・実行を伴走支援し、セミナーや相談会の開催、専門家の派遣なども行う。
 補助制度は、脱炭素化に向けた設備投資のために中小企業が金融機関から融資を受ける際、市が融資手数料の一部を補助する仕組みで、このような制度は県内で初めてという。脱炭素経営には、脱炭素化について「知る」、自社の温室効果ガス排出量を「測る」「減らす」といった一連の流れが重要で、市が人材と資金面の支援で後押しする。
 市は23年度、浜松商工会議所や地元金融機関などと連携し、中小企業の脱炭素化を浜松地域全体で支援する「浜松地域脱炭素経営支援コンソーシアム」を設立。金融機関が無償提供するサービスで市内中小企業の温室効果ガス排出量を算出し、データを「見える化」した上で、市ともデータを共有して市の政策立案に役立てる連携事業などを開始している。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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