記者コラム「清流」 探究の芽を育てる時間

 学校を取材すると最近、「探究」という言葉が頻出する。実生活から問いを見いだし、自ら課題を立て、情報収集と整理分析をし、まとめて表現する―。学習指導要領では、探究をこのように説明している。
 授業をのぞいても、児童生徒が議論・発表をしたり、実地訪問や資料探しをしたりする姿を目にする機会が多い。板書の書き写しが主だった二十数年前の小中学生時代の自分と比べ、頭と体を能動的に動かす現代の子どもたちがまぶしい。
 学習指導要領の通り、探究には子どもが生活の中で関心を持つ経験が大切だ。主体的な学びには大きなエネルギーを要する。
 予測不可能な時代を生き抜いてほしいと、わが子に多くを求めている自身を振り返る。一番大切なのは、関心や主体性の芽を育てる休息の時間かもしれない。
(教育文化部・鈴木美晴)

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