静岡人インタビュー「この人」 イルカ研究で「高校生探究・情報コンテスト」奨励賞を受けたクラスの責任者 加藤由依佳さん(浜松市中央区)
クラスでイルカに関する研究を進め、静岡大情報学部が主催する「高校生探究・情報コンテスト」で奨励賞を獲得した。研究の一環で制作した体長約2メートルのバンドウイルカのオブジェは浜名湖体験学習館「ウォット」(浜松市中央区)に展示されている。責任者を務めた西遠女子学園高1年生。16歳。
-なぜイルカの研究を始めたのか。
「きっかけは学園祭の企画。クラスごとに研究し、発表する機会があり、テーマを探す中で県東部や他県でイルカ漁があり、イルカが食べられていることを知って興味を持った。日本の水族館には当たり前にイルカがいるが、海外では肯定的に捉えられていないことに驚き、この問題を研究したいと思った」
-研究の具体的な内容は。
「日本と世界のイルカの食文化を比較したり、イルカ漁の賛成、反対意見をまとめたりした。全国の水族館など16館のアンケートや学園祭来場者の意識調査も実施した。海外では水族館でイルカの飼育が禁止されつつあるが、アンケートから日本の水族館ではイルカが最も人気で、水族館側も客側も欠かせない存在であることが分かった」
-特に意識したことは。
「研究すればするほど、センシティブな問題であると感じた。できるだけ先入観をなくし、中立的な立場での分析を心がけた。イルカを食べることや飼育することなどに対する多様な意見をすくい上げ、問題をより深く考えようとクラスで議論を重ねた」
-今後はどう展開するのか。
「イルカ漁を実際に見に行く現地調査や、ウォットと連携して地域の方々にイルカについて議論してもらえるような活動を積極的に考えていきたい」
(浜松総局・小林千菜美)