避難の意味を遺構は問う 東日本大震災後、入社の本社記者ら宮城訪問【311メディアネット いのちと地域を守る2024】

 静岡新聞社や河北新報社(仙台市)など全国の地方紙、放送局でつくる「311メディアネット」は17日、防災ワークショップ「むすび塾」の被災地視察を行った。加盟する地方メディアの若手記者が、東日本大震災で津波被害を受けた宮城県気仙沼市、石巻市、南三陸町で震災の教訓と、発生から間もなく13年となる被災地の現状を学んだ。東日本大震災の震災遺構を取材する静岡新聞の崎山美穂記者(右)ら=17日午前、宮城県気仙沼市の市東日本大震災遺構・伝承館
 同ネットは「むすび塾」を共催した北海道新聞、東京新聞、神奈川新聞、新潟日報、福井新聞、静岡新聞、中日新聞、京都新聞、毎日放送、神戸新聞、中国新聞、高知新聞、宮崎日日新聞で構成。今回は2011年3月11日の東日本大震災発生後に入社した記者を対象とし、20年入社の静岡新聞社磐田支局の崎山美穂記者(26)ら地方紙11社の記者11人が参加した。
 南三陸町では町職員ら43人が犠牲になった町防災対策庁舎、被災の実態と防災を学ぶ震災伝承施設「南三陸311メモリアル」を見学し、佐藤仁町長の話を聞いた。
 佐藤町長は町の防災の取り組みや復興の歩みなどを説明。交流人口の拡大に力を入れていることに触れ、「他の地域から訪れる人が津波から安全に逃げられるよう、避難の表示を充実させたい」と語った。
 町防災対策庁舎屋上で津波にのまれた体験を振り返り、「災害はいつ起きるか分からない。多くの人に、自分の命を守ることの大切さを伝えてほしい」と呼びかけた。
 一行は気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館で中高生の語り部、石巻市震災遺構大川小では、大川小2年の弟を亡くした大川伝承の会の永沼悠斗さん(29)の話を聞いた。
 18日は宮城県山元町震災遺構中浜小を見学後、仙台市の河北新報社で防災報道をテーマに語り合う。

 

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