自助共助支える「公助」重要 島田で防災講演会 岩田氏(静大特任教授)が登壇
島田市は21日、自治推進委員向け防災講演会を市役所で開いた。静岡大防災総合センターの岩田孝仁特任教授が講師を務め、「想像力の欠如に陥らない防災」をテーマに講演した。
岩田特任教授は能登半島地震における建物の倒壊や津波、液状化現象などを挙げ、「地震がもたらす被害のさまざまなパターンを示している」と解説。その上で、「少子高齢化が進んでいる現状は、災害発生直後の隣近所による救助などを考えた際、顕著な問題になる」と述べた。県内で進んでいる中高生の防災訓練の参加について、「地域社会の一員としての自覚は、未来の防災につながるはず」と意義を語った。
さらに建物の耐震化や防潮堤整備などハード対策が進んでいることに対し、「想定を超える災害を想像する力や知恵が低下する一因にもなる」と指摘。災害が多発する現状を踏まえ、「いかに弱い人を救えるかが日本の防災社会を構築する上で大切。自助と共助を支える公助が重要だ」と訴えた。
(島田支局・寺田将人)