市民目線で「窓口改革」 課題把握、改善へ 浜松市職員が市役所手続き体験調査
窓口業務の改善、向上を目指して浜松市は22日、市職員による体験調査を市役所で行った。市職員が来庁した市民になりきって転入の届け出や証明書の取得、家族の死亡に伴う手続きを実際に体験し、窓口業務の現状を把握するとともに、課題や見直すべき点などを探った。
市は市民サービス向上と業務効率化を図る「窓口DX(デジタル・トランスフォーメーション)」に向けて昨年2月、証明書発行手続きを簡素化する「書かない窓口」の運用を開始。同6月には転入転出や印鑑登録など届け出手続きにもシステムを拡充し、区民生活課などの窓口1カ所で市民の届け出の大半に対応できるようになった。
体験調査は、「書かない窓口」導入後に浮かび上がった課題を今後の窓口改革につなげ、さらに「よりよい窓口」を実現しようと企画。「未就学児と就学児がいるひとり親世帯の転入」「葬儀社を通じて夫の死亡届を提出した後の手続き」など、「書かない窓口」1カ所だけでは完結せず、複数の窓口を訪れる4パターンの想定で進めた。
職員20人は4グループに分かれて実際に各窓口を訪れ、手続きの内容や要した時間、関係窓口を移動する距離など気づいた点を記録した。より“生の声”を引き出そうと、事前に想定などは伝えず、窓口でやりとりする市民役は新規採用職員が務めた。体験後にはワークショップも行い、互いに意見を交わした。
(浜松総局・宮崎浩一)