生活、観光両立 公共交通探る 沼津で海上移動の体験調査

 NPO法人沼津観光協会と沼津市内で営業する交通事業者などはこのほど、海上交通を含め、住民生活と観光の両面に役立つ公共交通の在り方を探るフィールドワークを実施した。沼津港―三津港の海上移動を体験し、市南部の三浦(さんうら)エリアの住民や観光客らの交通ニーズを調べた。

三津港に向かう遊覧船に乗り込む参加者=沼津市の沼津港
三津港に向かう遊覧船に乗り込む参加者=沼津市の沼津港

 各団体から集った参加者は千鳥観光汽船の遊覧船「第1伊豆丸」で三津港へ。到着後は電動トゥクトゥクで周辺を巡り、観光案内所の職員らに交通事情などを聞いた。遊覧船には入れ替わりに協力者の住民が乗り込み、沼津港まで移動した。港や沼津駅周辺で買い物などを楽しんだ。
 主催者は住民の行動をGPSで調査。普段は車移動のためできない飲酒をして帰る住民もいた。協会の望月善人会長(58)は「船での移動による新たな楽しみ方を発見できた」と話した。
 複数の組織が連携して公共交通の維持・活性化を目指す国土交通省の地域交通共創モデル事業の一環で、観光の重要拠点である三浦エリアへのアクセス改善を念頭に実施した。各団体は今後も定期的に会議を開く。フィールドワークで集めた情報を参考に、需要に合わせた新たな交通サービスを考える。行政区域の枠を超えた連携も模索する。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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