急な坂上り高台へ 街灯、手すり少なさ課題 御前崎地区、津波避難訓練

 御前崎市は2日夜、南海トラフ巨大地震の発生に備えて御前崎地区を中心に夜間の津波避難訓練を初めて実施した。住民約300人が、視界が悪い中で避難する難しさを体験した。

慎重な足取りで夜間の津波避難訓練に臨む参加者=御前崎市御前崎
慎重な足取りで夜間の津波避難訓練に臨む参加者=御前崎市御前崎

 日が落ちた午後6時、大地震発生を知らせるサイレンが鳴り響き、大津波警報が発表されたとの設定で住民たちは一斉に避難を開始した。高さ最大5メートル以上の津波が押し寄せると想定されている沿岸部の女岩区では、約100人が急な坂を上って高台に逃げた。避難中に転倒しないように手を取り合ったり、懐中電灯を持って逃げたりする人の姿が目立った。
 同区町内会長の川口省式さん(68)は「日常的に通る道でも夜は光景が一変する。緊急時は地域コミュニティー内で声をかけ合いながら自分たちで命を守っていきたい」と振り返った。 訓練では避難経路に街灯や手すりが少ないなど課題も浮かび上がったという。市危機管理課の小野田明人課長は「訓練の結果を検証し、要配慮者の安全も確保できるように対策を図っていきたい」と述べた。
 (御前崎支局・市川幹人)

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