記者コラム「清流」 答え合わせ

 「キリンの首は本当に長かった」「ライオンの顔は怖くて、パンダは抱いたら温かかった」。児童が本物そっくりのぬいぐるみをなでながら、そう言った。
 浜松市中央区の静岡県立視覚特別支援学校に県内初の“動物園”が開園した。視覚に障害がある児童に多様な動物に触れるきっかけを作ろうと、埼玉県の男性が動物のぬいぐるみ33体を寄贈し、展示した。児童らは開園とともに、駆け出したり、教員の手を引っ張ったりして動物のもとへと向かった。「これはなに。熊か、いや違う」。足につけられた点字シートと体を行ったり来たりして、興奮している様子が印象に残る。
 “動物”の体や表情に触れ、答え合わせができた児童の顔は晴れやかだった。小さな動物園がまた一つ学びを深めるいい機会になったはずだ。
(浜松総局・小林千菜美)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞