公共トイレに生理用品 不安解消、満足度高く 浜松市実証実験 

 浜松市は25日、女性が生理用品を取得しやすい環境をつくるため、公共施設の女性用トイレに生理用ナプキンのディスペンサーを設置する実証実験のアンケート結果を公表した。利用者のほぼ全員が満足し、精神的不安の解消につながるなど肯定的意見が多かった。市はアンケート結果などを基に新年度、子育て世代の母親の利用が多い「浜松こども館」(中央区)にディスペンサーを新設する。

 ディスペンサーは手をかざすと扉が開き、ナプキンを1枚ずつ取り出せる仕組み。ナプキンは使用期限が近づいた防災備蓄品を利用し、昨年10月に市役所、中央図書館、あいホール、市立高(いずれも同区)の女性用トイレの個室に計40台を設置した。実証実験は今月末まで実施し、アンケートは2月末でまとめた。利用者113人を含む253人から回答があった。
 市UD・男女共同参画課によると、2月末現在の配布枚数は1万4593枚。利用者の99%(112人)が「満足」「やや満足」と答えた。手持ちがなかったため利用した人が70%に上り、「生理用品を持ち込む必要がなくなり、周囲の目が気にならない」「1枚ずつしか取り出せないので衛生的にも良い」「ナプキンがあるという安心感で、学校生活が少し楽になった」などの意見が目立った。
 また、全体の92%(232人)が「今後も利用したい」「いつか利用したい」と回答。小中学校や図書館などへの機器設置に加え、生理のことを後回しにしがちになる乳幼児の母親への配慮を求める声もあった。
 市はあいホール分を浜松こども館に移設する。同課の担当者は「女性にとって優しい取り組みを浜松市から発信したい」と話した。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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