記者コラム「清流」 読めない試合展開

 富士市の公道を自転車で走行する富士山サイクルロードレース。最後の最後まで全く読めない試合展開に圧倒された。
 メイン種目「富士クリテリウムチャンピオンシップ」決勝は1.8キロのコース30周で競う。レースに変化が生まれたのは16周目。後方にいたブリヂストンの所属選手が縦一列にトレインを組み、他の選手にプレッシャーをかけながら追い上げを開始する。ラスト数周で先頭集団を吸収して迎えた最終周回。一瞬、隊列が緩んだかと思うとその隙に、これまで体力温存していた別チームの選手が後方から一気に飛び出し、そのまま1位でゴールした。
 個人戦でありながら集団戦。体力勝負でありつつ心理戦の要素を含む。沿道にいる観客はこういった複雑な駆け引きを目の前で楽しめるのも魅力的だ。
(沢口翔斗)

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