記者コラム「清流」 荒波越える教育を

 3月、西伊豆町の田子小で閉校式が開かれた。児童や地元の住民が慣れ親しんだ校歌を体育館に響かせ、学びやに別れを告げた。田子小にまつわる思い出話も披露され、住民からの感謝や愛に包まれていた。
 校章は漁業で栄えた地域らしく船のかじをかたどっているという。大海を旅する船のかじを握る者は、あらゆる困難を乗り越えるために常に勇気と意志と深い知恵が必要―。体育館の壁に刻まれている。
 少子高齢化が進む西伊豆の人口構成は、都市地域が今後迎える“将来像”だと聞いた。縮小社会の先進事例となるまちづくりが行政には求められている。
 4月から町内の小学校は2校となる。子どもたちが将来、どんな“荒波”でも乗り越えることができるように、充実した教育態勢を整備してほしい。
(松崎支局・太田達也)

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