静岡人インタビュー「この人」 自然を生かした事業やICT活用で地域活性化に取り組む 土本直矢さん(横浜市)

 西伊豆町と東京都を行き来しながら、西伊豆で情報通信技術(ICT)を活用した鳥獣害対策などに取り組むほか、町内の豊かな自然を生かした事業を展開している。東京の大学を卒業し、電子機器メーカーに就職。退職後、都内で情報処理システム開発などに関わる企業も経営している。同町田子出身。43歳。

土本直矢さん
土本直矢さん

 ―なぜ地元で仕事を。
 「小学生の頃、友達と海で釣りをしてから登校していた。田子の海は透明度が高くダイビングの名所でもある。自然を楽しめる環境がある地元に思い入れがあった。培った技術や経験を生かし、地域活性化に取り組みたいと考えた。地域の魅力を伝えるSUPやカヤックのツアーも提供している」
 ―田舎におけるICTの有効性と課題は。
 「時間や距離の制約なしで充実した医療や教育が受けられるようになり、都市部よりも恩恵は大きい。災害時の情報伝達手段としても有益だろう。ただ、田舎は理解や人材育成が進んでいない。便利な半面、犯罪に巻き込まれる危険などの把握も必要でICTへの信頼感を高めることが重要だ」
 ―ICTの活用事例は。
 「人手不足が進む猟師の作業効率化に向け、シカなどがかかるとセンサーが反応してスマホに通知されるわなの開発を試みている。中高生が参加する講座内で開発し、プログラミングの活用例を紹介した。生活の中で役立つ場面があると知ることで、地域に浸透するのではないか」
 ―今後の展望は。
 「都市部と地方との間に情報格差が生まれている。地方では学ぶ場が少ないので、少しでも解消できるよう努めたい。地域のネットリテラシーを高められるよう働きかけたい」
 (松崎支局・太田達也)

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