ドイツ兵の墓石に案内板 在日大使館が寄贈「110年の管理に感謝」 静岡市葵区 

 第1次世界大戦時に捕虜となり、静岡市内での収容所生活中に亡くなったドイツ兵グスタフ・マタイス海軍1等砲兵=当時(22)=の墓石がある静岡市葵区沓谷の旧陸軍墓地広場で5日、墓石の案内看板の除幕式と献花(同実行委主催)が行われた。

ドイツ兵の墓石の案内看板がお披露目された除幕式=静岡市葵区
ドイツ兵の墓石の案内看板がお披露目された除幕式=静岡市葵区

 案内看板には収容所の歴史やマタイスさんの生い立ちなどを日本語とドイツ語で表記。墓石を約110年にわたり維持管理を続けてきた地元自治会などへ感謝を込めて在日ドイツ大使館が寄贈した。式典に参加した同大使館国防武官のラルフ・ペルジケ空軍大佐は地元住民らが見守る中、墓石へ献花し、「共に追悼できることは深い日独の友情の表れだ」と謝意を示した。
 マタイスさんや他のドイツ兵ら106人は、収容所に隣接する師範学校で生徒らにサッカーを教えるなど、自国の文化や技術を地域に伝えたとされる。沓谷2丁目自治会長で同実行委員長の桜井彰雄さん(82)は「近隣住民でもこの墓石を知っている人は少ない。戦争の歴史を学び平和について考えるきっかけになったらうれしい」と話した。
 (社会部・五十嵐美央)

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