静岡人インタビュー「この人」 医学と陸上の両立を講演した 内山咲良さん(東京都)

 東大医学部在学時に日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)の三段跳びで優勝。研修医として藤枝市立総合病院で働き、4月から東京北医療センター産婦人科で専攻医として勤務する。県立大で1月に講演し、文武両道の秘けつを学生に伝えた。神奈川県出身。26歳。

内山咲良さん
内山咲良さん

 -どんな大学時代だったか。
 「入学直後は学部と大学で別々にある陸上部に両方所属し、多数の授業を受けながら塾講師のバイトもしていた。しかし忙しさから生活がうまく回らなくなり、心を壊してしまった。そこからは目標を『医者になる』と『日本インカレ出場』の二つに絞って努力した。今は手広く挑戦したことも、自分を見つめ直すために必要なプロセスだったと思っている」
 ―勉強と陸上の両立方法は。
 「部活は午前か午後どちらかのみが多く、その意味では勉強と両立しやすかった。テスト前は授業と部活の空き時間などを試験勉強に充てていた。勉強も部活も、目標のためにどんなプランを立てるべきかを重視して取り組んでいた」
 ―研修医時代を振り返って。
 「藤枝市立総合病院を見学したときに院内の雰囲気が良く、研修先に選んだ。静岡県は自然が豊かで穏やかな人が多く、とても過ごしやすかった。また医師としての優先順位などに悩み、昨年5月に陸上をやめた。いまだに後悔する時もあるが、やめたことで医学の勉強に打ち込むことができた。これからの人生の中で、この決断を正解にしていきたい」
 ―今後の目標は。
 「まずは産婦人科医として一人前になる。アスリートを支援する分野も産婦人科にあるのでいずれそちらにも携われるよう今から道筋を探っていきたい」
 (社会部・五十嵐美央)

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