静岡人インタビュー「この人」 有害鳥獣の捕獲に取り組むNPO法人理事長 岡本浩明さん(浜松市中央区)

 浜松市浜名区の三ケ日地区を拠点に、農作物への食害が問題となっているイノシシをはじめとした有害鳥獣への対策に取り組むNPO法人「ルーツジャパン」を2015年に創設した。マニュアル作成などを請け負うフリーランスのライターとしても働く。森町出身。50歳。

岡本浩明さん
岡本浩明さん

 -どのような団体か。
 「行政から依頼を受け、シカやイノシシなどの有害鳥獣、ヌートリアやタイワンリス(クリハラリス)といった特定外来生物を捕獲している。獣害対策を目的に三ケ日地区の農家でつくる有害鳥獣駆除対策協議会と連携し、くくりわなの講習会も開催している」
 -きっかけは。
 「元々山遊びが好きだった。父親が森町で猟をしていた影響で、私も21歳から狩猟を始めた。自然の中で誰かの役に立てる事業をしたいと考え、最初は大人向けのキャンプ教室を開くなどしていた。猟場でシカの増加を実感し、農家の方の苦労も聞いていたので、捕獲事業を始めることに決めた」
 -近年の被害状況は。
 「シカは増加傾向が続いているほか、タイワンリスも昨年10月から今年2月までに1000匹以上を捕獲するなど、生息数が減っているとは言いがたい状況。ヌートリアは天竜川を越え、磐田・袋井方面に生息域を拡大しているので、根絶するのは難しいが、なんとか水際で食い止めたい」
 -今後の展望は。
 「駆除した生き物の命を無駄にしないために実施している、肉をペットフードに加工する取り組みを拡大していきたい。また、捕獲した有害鳥獣の食肉処理場を三ケ日に設ける計画がある。ジビエ(野生鳥獣肉)を通じて環境学習ができる場を作りたいと考えている」
 (浜松総局・山川侑哉)

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