【御前崎市長選・解説】原発再稼働問題など明確なビジョンを

 新人の一騎打ちとなった御前崎市長選は、勇退する現職市長の後継指名を受けた下村勝氏が圧勝で初当選を決め、有権者の期待の大きさを示した。

支援者と握手をする下村勝氏=14日午後9時2分、御前崎市池新田の事務所
支援者と握手をする下村勝氏=14日午後9時2分、御前崎市池新田の事務所

 陣営の強力な組織力も背景に序盤から形勢は変わらなかった。市民は、下村氏が大学教授として培った豊富な学識や経験を評価し市政のかじ取りを託した。選挙戦を通じて主張した通り市民の多様な意見に耳を傾け、着実に市政を前へと進めてほしい。
 投票率は前回選を0・84ポイント上回る67・53%だったが、3割以上の有権者が投票しなかった。市政に停滞感が漂う中、選挙戦では深い政策議論が期待されたが、論戦は具体性を欠き、有権者の関心を高められなかった。
 市は今後、中部電力浜岡原発の再稼働の是非や財政健全化など難しい問題に向かい合うことになる。住民の理解や合意形成を求められる場面が増える。リーダーとして明確なビジョンと道筋を描き、課題解決へ取り組むことが求められる。
(御前崎支局・市川幹人)

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