ボッチャ杉村「世界のトップへ、完成形は見えている」 迫るパリ・パラ、最高のプレー誓う

 「世界のトップオブトップへ、完成形は見えている」。4カ月後に迫ったパリ・パラリンピック開幕に向け、ボッチャ男子(脳性まひBC2)で東京パラ金メダルの杉村英孝(42)=伊東市=が強い意欲を示す。ボールの規定変更、パワーを重視する海外勢の台頭など幾多の試練を乗り越え、「自分は常に挑戦者。パリで最高のパフォーマンスを出す」と誓う。

新たに所属契約を結び、パリ・パラ大会への決意を新たにした男子ボッチャの杉村=都内
新たに所属契約を結び、パリ・パラ大会への決意を新たにした男子ボッチャの杉村=都内

 代表内定を勝ち取った1月の日本選手権は決勝でライバルに敗れたが、「自分の中にあるモノを出しての敗戦。投球フォーム改善の成果が表れてきた」と手応えをつかんだ。
 東京大会後、規定の変更で10年以上使い続けてきたマイボールが使えなくなった。新しいボールをなじませるのに2年半。「最初はカチカチで持って投げることすら難しかった」と振り返るが、練習を重ね「今は信頼できるボールがそろった。これで戦える」と胸を張る。
 昨年末のアジア・オセアニア選手権は団体で銅メダル。従来の強豪国タイだけでなく、パリ大会を前にマレーシアやインドネシアなどの底上げを実感した。海外勢のパワーボッチャに対抗するのは繊細な技術と戦術。「1ミリを競うアプローチの精度を磨くしかない」と基礎練習を繰り返し、本番をイメージする。
 「ボチャは自身の選択と決定で、誰にも頼らず自分を表現できる。パリを東京大会の盛り上がりを次につなげる舞台にする」。第一人者は競技の普及と共生社会の実現への願いも込め、一投に集中する。  今春から所属変更  ボッチャ男子の杉村英孝が今春からヘアケア製品ブランド「TOKIOインカラミ」と所属契約を結び、19日に都内で発表会見を行った。
 伊豆介護センターでの勤務は続け、「仕事と競技の両立を図ることに変わりないが、よりボッチャに集中できる環境が整った。応援とサポートに応える結果を残したい」と決意を新たにした。
(運動部・寺田拓馬)

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