静岡人インタビュー「この人」 5教科を教えないプロジェクト型学習教室「あむラボ」を運営する 小森史靖さん(静岡市葵区)

 小中学生向けのプロジェクト型学習教室「あむラボ」(静岡市駿河区)の代表。2022年10月から始め、法人化を目指し準備している。不登校の児童などが通うフリースクールや、本県発のアイドルグループ「フィッシュボウル」の運営にも関わる。静岡大を休学中。23歳。

小森史靖さん
小森史靖さん

 -どのような学習教室か。
 「子ども一人一人に学生メンターが伴走し、好きなことに夢中になれる環境や社会とつながる体験を提供する。これまでに9人の小中学生が通い、映像制作や作曲、釣り、菓子販売などそれぞれが興味ある企画を数カ月かけて仕上げてきた」
 -教室を開設した目的は。
 「フリースクールに通う子や親と話す中で、学校の5教科や運動で評価されない子がのびのび好きなことをして、活躍できる場が必要と考えた。自分も高校で不登校を経験し、勉強や部活から離れて自信を失った時期がある。外からの評価に依存せず、好きなことを心から楽しんで自分を肯定できれば、もっと生きたいと思えるはず」
 -不登校をどう考えるか。
 「不登校自体は問題ではなく、それによる社会からの孤立や将来の選択肢が狭まることが課題。負のイメージを払拭していきたい。教室には不登校の子もいれば学校に行っている子もいて、仲間の活動を尊重し合う空間ができている」
 -なぜさまざまな活動を。
 「教室、フリースクール、アイドルグループの運営に共通するのは人の成長に携わること。学びは本人が楽しむことが前提だが、応援する側も楽しむ仕組みを構築したい。人が成長するには多様な人が関わった方が視野が広がる。法人化することで、さらに多くの人が関わることが期待できる」
 (生活報道部・伊藤さくら)

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