明応地震の津波など記録 海長寺、静岡市教委に書籍寄贈

 静岡市清水区の龍水山海長寺は23日、室町時代の明応地震(1498年)の被害を紹介する書籍「日海記の世界」(静岡新聞社制作)138冊を静岡市教育委員会に寄贈した。

赤堀教育長(左)に書籍を紹介する中條さん(左から2人目)ら=市役所清水庁舎
赤堀教育長(左)に書籍を紹介する中條さん(左から2人目)ら=市役所清水庁舎

 書籍はA4判392ページ。同寺の第9世貫首(住職)の十如院日海が残した記録「日海記」の原文写真に現代語訳を添え、地震発生時の様子や大浪(津波)被害について記した。「大浪又競い来たり」「悉(ことごと)く水に没し」など、地震の甚大な被害がつづられている。歴史や防災の識者の寄稿も掲載し、同時代の文化も解説した。
 市役所清水庁舎で行った贈呈式で、書籍を編集した同寺の中條曉秀貫首は書籍の内容を「後世の我々への遺訓といえる内容」と説明した。目録を受け取った赤堀文宣教育長は「清水の歴史や生活の様子を知る貴重な資料」と謝辞を述べた。書籍は市内の小中高、市立図書館などに配架する。

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