自民・宮沢氏(衆院比例東海)が議員辞職願「不祥事重なり決意」 女性問題原因か

 自民党安倍派の宮沢博行衆院議員(比例東海)は23日、額賀福志郎衆院議長に議員辞職願を提出した。自身の女性問題が原因とみられる。辞職願提出後、国会内で記者団の取材に「私の不祥事が重なり、辞職を決意した。政治不信を増幅しかねないということもあった」と語った。不祥事の内容については、政治資金収支報告書の不記載とは別だと主張。近く週刊誌に掲載されるとして、詳細な説明を避けた。辞職は25日の衆院本会議で許可される見通し。
議員辞職願を提出後、記者団の取材に応じる宮沢博行衆院議員=23日午後、国会
 宮沢氏は派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、昨年12月に防衛兼内閣府の副大臣を辞任していた。裏金事件に関し「多くの仲間は身の潔白を証明したいと思っているが、派閥からしゃべるなと言われている」などと派閥幹部を公然と批判し、注目を集めた。
 宮沢氏の辞職が許可されれば、自民の2021年衆院選の比例名簿に基づき、森由起子氏が繰り上げ当選する公算が大きい。関係者によると、次点の候補者は自民の名簿から削除されているため、森氏が繰り上がるという。
 宮沢氏は磐田市議などを経て、12年に初当選し、現在4期目。党国防部会長、内閣府大臣政務官などを歴任した。
地元・中東遠に混乱広がる 「寝耳に水」「情けない」  宮沢博行衆院議員(比例東海)が自らの「不祥事」を理由に議員辞職願を提出した23日、地元・中東遠地域に混乱が広がった。「寝耳に水」「情けない」―。支援者は突然の辞意に戸惑い、失望感をにじませた。自民党の関係者からは迫る次期衆院選への危機感も漏れた。
議員辞職願を提出した宮沢博行衆院議員の地元事務所。入り口のポスターは既に外された=23日午後2時ごろ、磐田市
 磐田市の事務所ではスタッフが支援者、関係先への連絡などに追われた。事務所入り口のポスターも外した。スタッフは同日午前、宮沢氏から辞職の意向を直接聞いたが、詳細な説明はなかったという。男性秘書(37)は「長年支えてきたのに本当に残念。信じていたのに」と肩を落とした。
 関係者によると、宮沢氏は主だった支援者に電話で辞意を伝えた。鈴木勝後援会長(76)は同日朝に袋井市で行われた新茶初取引で同席したが「その時は何の話もなかった。その後に電話があった」という。女性問題で辞めると説明を受けたとし「そんな人柄ではないと思って後援会長を引き受けたのに、だましたのか。何をやっているんだ」と怒りをあらわにした。
 知事選を控え、次期衆院選が近づく中での辞職になる。自民党掛川市支部の寺田幸弘支部長(68)は「党の危機。辞める理由を有権者にしっかりと説明するべき」と強調した。60代の党関係者は「年内の衆院選が見込まれるが、これから代わりの候補者を選ぶとなると、選挙体制づくりが間に合わない。不祥事続きで知事選も動きにくくなる」と不安を募らせた。

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