静岡人インタビュー「この人」 静岡地検次席検事に就任した 小長光健史さん (静岡市葵区)
2000年に検事任官。東京地検を皮切りに神戸、岡山地検や最高検などで勤務した。東京地検刑事部副部長を経て1日付で着任。県内での勤務は初めて。福岡市出身。52歳。
―抱負を。
「風通しの良い職場環境をつくっていきたい。職員と話をする中で、例えば『もう少し効率化できるのでは』という案件も出てくるだろう。一つ一つ対応していくことで、職員の意識も変わると思う。関係機関については警察だけでなく、裁判所や弁護士会とも相互理解が重要。コミュニケーションを大事にしていきたい」
―静岡の印象は。
「過去に静岡に勤務した同僚からは本当に仕事がやりやすく、温暖で穏やかなところだと聞いている。おいしい食べ物も多い。早速、魚をいただき、非常においしかった。静岡の方には普通かもしれないが、富士山が毎日見られるのはとても幸せなことだと思う」
―検事を志した理由は。
「検事は話を聞くことが難しい。被疑者や被害者、事件の目撃者らは話をしたくない場合もある。そういう人たちから話を聞き出すことに興味を持ち、自分が成長できるのではないかと思った。警察と協力して捜査を行い、真相解明をしていくことにも魅力を感じた」
―やりがいは。
「事件の被害者に『前向きになれた』という趣旨のことを言っていただけた時は、少しは役に立ったのかなと思う。もう罪を犯してほしくないと思っていたかつての被疑者が、実際に罪を犯していないと分かったときや、真相解明ができたときもやりがいは感じる。しかし、手放しで『よくできた』と喜べることはほぼない」
(社会部・木村祐太)