【時の人】静岡県副知事に就任した 増井浩二さん

 19日付で副知事に就任した。県職員退職後の2019年から県公立大学法人理事兼事務局長などを務め、約5年ぶりに県庁に復帰した。知事交代という県の転換期に重責を担う巡り合わせに「県の業務に支障のないよう全力を注ぐ」と意気込み、空白期間の危機管理に特に注意を払う。

増井浩二さん
増井浩二さん

 川勝平太知事からの就任要請に「驚いたが、求められたのであればやる」と引き受けた。副知事の仕事を「知事の考えをかみ砕き、職員の気持ちに寄り添いながら、具体的な形で橋渡しをする役割」と捉える。「各分野の際(きわ)に、取り残された課題や本当の仕事がある」と部局の垣根を越えたプロジェクトの調整役を担う覚悟だ。県議や部局長へのあいさつでは「県政の発展と県民生活の向上のため一緒に汗を流したい」との思いを伝えた。
 1980年に入庁し、企画、財政、産業などさまざまな部門で経験を積んだ。高齢者福祉と税金徴収に従事した最初の6年間が「多様な県民の存在を知ることができた公務員の原点」。都市住宅部に在籍した30代に東駿河湾環状道路(伊豆縦貫自動車道の一部)の都市計画決定に関わり、当初は地元の反対に直面した。「完成時には喜んでいただいた。息の長い仕事だが、長期的視点に立ち、必要なことは信念を持って進めることが大切」と実感を込める。
 乗り鉄で温泉、寺社巡りが趣味。全国を訪ねて「本県は一級品の食材や農産物の宝庫」と伸びしろを感じている。「先送りや積み残しが嫌い」で「すぐ動く」がポリシー。浜松市(旧引佐町)出身。66歳。

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