ガウディ建築レプリカ“帰郷” 昨年全国巡回 松崎・伊豆の長八美術館

 松崎町の伊豆の長八美術館が収蔵するスペインの建築家アントニ・ガウディの「ニューヨーク大ホテル計画案模型」が27日までに、全国を巡回するガウディ関連の展覧会から戻り、再展示が始まった。漆喰鏝絵(しっくいこてえ)などの左官文化に親しむことができる同館。敷地内にはガウディゆかりの品が数点あり、関係者は「ガウディ、漆喰を含め、建築文化に改めて興味を持ってほしい」と期待する。
ニューヨーク大ホテル計画案模型
 模型は東京都などで開かれた「ガウディとサグラダ・ファミリア展」に2023年から貸し出され、関心を集めた。ガウディの弟子が残した設計資料を基に再現されたレプリカで、同館を設計した建築家の石山修武さんらが制作。左官業とゆかりのある同町に贈られた経緯がある。
 このほかの関連品は、ガウディの代表作サグラダ・ファミリアの建築に長年携わっている彫刻家の外尾悦郎さんが手がけた「ナシミエントの塔」と「老人と子供」。石山さんと交流があった縁で、1980年代に制作された。
 スペイン語で「生誕」を意味するナシミエントの塔は、高さ約5メートル、直径約1メートルの花こう岩製で、新芽が伸びる様子を表現している。腰かける老人に子供が寄り添う老人と子供は、高さ約1メートルの大理石製。ともに同町の発展への願いが込められている。学芸員の靍見志乃さん(35)は「伊豆の長八美術館とガウディのゆかりは地元でもあまり知られていない。関心が高まれば」と話した。
 (松崎支局・太田達也)
「老人と子供」
ガウディの代表作サグラダファミリアの建築に携わっている彫刻家が手がけた「ナシミエントの塔」=松崎町の伊豆の長八美術館

 

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