袴田さん無罪論告を 支援団体 静岡地検に要請【最後の砦 刑事司法と再審】

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)を巡り、袴田さんの支援団体は8日、静岡地検に22日の次回公判で無罪論告するよう要請した。静岡地裁に対しては、傍聴席を拡大するよう改めて要求し、前回公判で弁護人らに支援団体のバッジを外させたことなどに抗議した。

「再度の死刑求刑は許されない」と静岡地検に要請へ出向く支援者たち=8日午後、静岡市葵区
「再度の死刑求刑は許されない」と静岡地検に要請へ出向く支援者たち=8日午後、静岡市葵区

 22日の次回公判では、検察の論告・求刑や弁護団の最終弁論が行われる。支援団体は地検への要請書で、これまでの有罪立証を「抽象的な可能性を指摘するばかりで、弁護人の主張にも明快な反論がなされていない」と指摘した。「袴田さんに再び死刑を求刑することは断じて許されない」と強調し、一日も早く「普通の人」として社会生活を送らせてあげられるよう無罪論告するよう強く訴えた。
 地裁は4月24日の前回公判で、傍聴人が着ていたパーカに入っていた「HAKAMADA」の文字をテープで隠すよう指示し、弁護人が胸につけていたバッジを外すよう求めた。支援団体は地裁への抗議書で、規制の根拠が示されなかった上、バッジは前々回の第13回公判まで問題にされてこなかったと強調。地裁の対応を「異常」と批判した。
 支援者によると、地裁は抗議に対し、パーカの文字を隠させたりバッジを外させたりする対応は国井恒志裁判長の判断だったと明らかにした。「HAKAMADA」や「HAKAMATA」の文字が入っていることを理由に挙げたという。
 (社会部・佐藤章弘)

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