静岡の小中学校 給食からストロー削減開始 脱プラ、環境保護意識

 静岡市内の公立小中の学校給食で今春、プラスチックストローを使わずに牛乳を飲む「ストローレス給食」の取り組みが始まった。プラスチックごみ削減とともに、子どもたちの環境意識を高めようと、市教育委員会が各校に段階的な実施を呼びかけている。

ストローを使わずに、コップに注いで牛乳を飲む児童=4月下旬、静岡市立麻機小(画像の一部を加工しています)
ストローを使わずに、コップに注いで牛乳を飲む児童=4月下旬、静岡市立麻機小(画像の一部を加工しています)

 静岡新聞社が同市以外の県内34市町の学校給食担当部署に尋ねたところ、市町単位でストロー削減を推進していると回答した自治体はなかった。全国で近年広がる取り組みだが、県内では先進的な事例と言えそうだ。
 4月下旬、同市葵区の市立麻機小の給食時間。児童の多くは牛乳パックの口を開き、家庭から持参したコップに牛乳を注いで飲んでいた。プラごみの海洋汚染問題をテレビで見たことがあるという6年の竹内花音さんは「プラスチックを使う量を少しでも減らしたいから」とストローを使わない理由を説明した。
 学校給食の使用済みストローは、市内では主に焼却処分されている。焼却時の二酸化炭素(CO2)削減効果が期待できるとして、市教委はストローレスの実施を決めたという。
 市教委学校給食課の中野雅也課長(52)は、子どもにより発達段階など事情が異なるとして「全員一律、一斉のストロー不使用を強制するものではない」と説明。各校には実情に応じた実施を依頼しているという。その上で「給食のストローをきっかけに、児童生徒が環境問題に関心を持ち、ごみ削減の行動につなげてくれればうれしい」と話している。
 市内の給食実施日数は年間約180日。児童生徒と教職員で1日当たり合計約4万8千食を提供している。全員一律の実施ではないため、ストロー削減の具体的な本数は現状では不明だが、同課は一部の実施でもごみ削減効果は小さくないとみている。今後はデザート容器など、ストロー以外のプラごみ削減も目指す。
 静岡市以外の学校給食でも、環境への意識は高まっている。県牛乳協会によると昨年度から、県内の広範囲の学校給食で、プラスチックストローの材料の一部に生物由来の「バイオマスプラスチック」が使用されるようになった。
 (教育文化部・鈴木美晴)

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