袴田弁護団が期待感「再審開始は目前」 静岡で集会

 旧清水市(静岡市清水区)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定し、裁判のやり直しを求めている袴田巌さん(85)の支援集会が27日、同区であった。弁護団報告で小川秀世事務局長は「検察官は追い詰められている。再審開始は目前と確信している」と期待感を示した。

支援集会で再審請求審の現状を説明する弁護団の小川秀世事務局長=27日午後、静岡市清水区
支援集会で再審請求審の現状を説明する弁護団の小川秀世事務局長=27日午後、静岡市清水区

 再審請求審を巡っては最高裁が昨年12月、審理を東京高裁に差し戻す決定を出し、今春から差し戻し審が始まっている。焦点は、犯行着衣とされる「5点の衣類」が現場のみそタンクに入れられた時期。弁護団は衣類の血痕に赤みが残っているのは不自然として、事件から1年2カ月後の発見直前に入れられた捏造(ねつぞう)証拠だと主張している。
 小川弁護士は最高裁決定について「事件直後に(衣類が)入れられたと認定する証拠がないことを認めた」と解説。「この事件を誤判と宣言したと理解していい」と語った。
 袴田さんの姉の秀子さん(88)=浜松市中区=は「皆さんの力をお借りし、ぜひ裁判に勝ちたい」と述べた。
 支援集会は「袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会」が主催した。事件は30日で発生から55年を迎える。
 (社会部・佐藤章弘)

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