記者コラム「清流」 苦境を訴える姿を前に 

 新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が解除された初日夜、浜松市の中心市街地を歩いた。久しぶりに明かりが戻り、食欲をそそる香りに気分は上がったが人出は思うほどはなかった。
 飲食店に取材に入ると店主からは国や行政に対する不満が聞かれた。ある店では「新型コロナはインフルエンザと変わらない。なぜコロナだけ特別扱いするのか」と問い掛けられた。感染力や重症化率が高いこと、医療体制崩壊の懸念があること―。理由はいくつかあるが苦境を訴える姿を前に、傾聴に徹せざるを得なかった。
 緊急事態宣言中と同様のコロナ対策を継続し、会食自粛を従業員に求める企業も多い。感染予防と経済の両立が着実に進むことを願う。
 (浜松総局・白本俊樹)

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