焼津カツオ盗の記事一覧
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焼津カツオ盗 検審申し立て 被害の船会社
焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件で、組織犯罪処罰法違反容疑で追送検された同市の水産加工会社「マルテ小林商店」と同社元役員の男(46)=窃盗罪で起訴=を不起訴とした静岡地検の処分は不当だとして、窃盗の被害に遭った船会社が12日、静岡検察審査会に審査を申し立てた。 同社と被告は2021年3月、不正に入手した冷凍カツオを正規の取引で購入したように装い利益を得た疑いがあるとして、23年3月に静岡県警から書類送検された。地検は今年1月、不起訴処分にしていた。
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倉庫会社元幹部、再び不起訴に 焼津カツオ盗で静岡地検
静岡検察審査会が、焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件に絡み、「不起訴不当」と議決していた同市の冷蔵倉庫会社元幹部の男性(53)の窃盗容疑について、静岡地検は29日、再捜査の結果、再び不起訴処分とした。 男性は2021年3月、窃盗罪で有罪判決を受けた神奈川県の運送会社元社長らと共謀し、宮城県の船会社が水揚げした冷凍カツオ約10トンを盗んだとして、22年5月に焼津署に逮捕された。地検は22年8月に不起訴処分としたが、被害に遭った船会社が処分を不服として静岡検察審査会に審査を申し立て、検審は23年10月に「不起訴不当」と議決していた。
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8億円損害賠償求め提訴 焼津カツオ窃盗事件、被害の船会社など
焼津漁港での冷凍カツオ窃盗事件の第3ルートを巡り、被害に遭った焼津市の船会社「極洋水産」など10社と個人事業者1人が28日までに、窃盗罪で起訴された被告や所属していた水産加工会社などを相手に約8億500万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。22日付。 訴状によると、同市の水産加工会社「マルテ小林商店」元役員の被告(46)=窃盗罪で起訴=、同市の運送会社社長(62)=同罪で有罪判決=、水産加工会社「大熊」元役員の被告(69)=同罪などで起訴=は共謀して、原告らの保有する漁船が水揚げしたカツオを盗んだとされる。それぞれの会社にも損害賠償責任や使用者責任があるとしている。 損害額は2
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焼津漁協、組織改編へ カツオ盗契機 不正防止狙う 市場の相談、課を創設
焼津漁業協同組合(焼津市)は2024年度、部を統合し、商品の苦情を受け付ける専門部署を新設する機構改革を行う方針であることが、3日までに関係者への取材で分かった。冷凍カツオ窃盗事件を受けて導入された外部監査人がまとめた監査報告書の指摘に基づき、職員相互のけん制機能を強化し、部署をまたがったコミュニケーションを促進させることで、不正防止に向けた組織風土の改革を図る。 報告書は第三者委員会で委員長を務めた前田俊房弁護士を中心とした外部監査人が22年12月から1年かけて実施した監査内容をまとめた。漁協の理事や監事、仲買人らによる市場委員会が市場の運営改善に積極的に乗り出していることを取り上げる一
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倉庫会社元幹部「不起訴不当」 焼津カツオ盗で静岡検察審査会
静岡検察審査会が、焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件に絡み、窃盗容疑で逮捕された同市の冷蔵倉庫会社の50代元幹部を不起訴とした静岡地検の処分について「不起訴不当」と議決したことが31日までに関係者への取材で分かった。静岡地検は再捜査する。 元幹部は2021年3月に、窃盗の罪で有罪判決を受けた運送会社元社長らと共謀し、宮城県の船会社が水揚げした冷凍カツオ計約10トンを盗んだとして、昨年5月に焼津署に逮捕された。元幹部は盗んだカツオを自身が管理する冷蔵倉庫で保管していたとされる。静岡地検は昨年8月に不起訴処分にした。 議決は26日付。検審は元幹部について、「預かった冷凍カツオ
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焼津漁協が外部監査人制度導入 カツオ盗防止策など検証
焼津漁港(焼津市)で発生した冷凍カツオの窃盗事件に関連し、焼津漁業協同組合が外部監査人制度を導入したことが、1日までに関係者への取材で分かった。昨年末にまとめた第三者委員会の報告書で指摘された事項の進み具合を検証し、組織の体質改善に生かしていく。 制度導入を決定したのは9月25日。外部監査人には第三者委で委員長を務めた第一東京弁護士会所属の前田俊房弁護士が就く。第三者委や再発防止委員会が指摘した漁港内の窃盗防止策、漁協組織のガバナンスやコンプライアンス意識といった事項の監査を実施する。 第三者委は報告書で、組合の内部統制の欠如を指摘し、体質改善に向けて第三者機関による監査制度の導入を提言
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運送業社長に有罪 焼津カツオ窃盗事件で静岡地裁判決
焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件を巡り、窃盗の罪に問われた市内の運送会社「堀住運送」社長(62)=同市北新田=の判決公判で、静岡地裁は28日、懲役2年6月、執行猶予3年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。 判決理由で国井恒志裁判長は「組織的、常習的な犯行の一環」と指摘。自らトラックにカツオを積み込むなど「主体的に関与し、重要な役割を担った。厳しい非難を免れない」とした。一方、共犯者を含めて被害法人3社に弁償し、反省していることなどを踏まえて執行猶予が相当とした。 判決によると、被告は市内の水産加工会社「マルテ小林商店」元役員(45)らと共謀して2021年3月11日、焼津漁
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元職員 退職金求め提訴 焼津カツオ盗、漁協懲戒解雇
焼津市の焼津漁港で水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件で、焼津漁業協同組合から懲戒解雇された40代の男性元職員が20日までに、処分は無効などとして漁協を相手取り、退職金約675万円の支払いを求める訴えを静岡地裁に起こした。 訴状によると、男性は2000年4月に漁協に就職し、18年4月に市場部係長になった。冷凍カツオを盗んだとして21年10月に焼津署に逮捕され、22年3月に漁協から懲戒解雇された。その際、退職金は支払われなかった。同年10月、窃盗の罪で有罪判決を受けた。 男性側は、カツオの窃盗行為に誘われた18年4月より少なくとも10年ほど前から、漁協では慣習として窃盗が行われていたと指摘する
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焼津カツオ窃盗事件 運送業社長に2年6月求刑 静岡地裁公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、窃盗の罪に問われた市内の運送会社「堀住運送」社長(62)=同市北新田=の論告求刑公判が12日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、検察側は懲役2年6月を求刑して結審した。 検察側は論告で、常習的に行われてきた組織的な犯行と指摘。被告が実行役を担っていたことを踏まえ、「未計量のカツオを搬出する際に計量の有無を判別できなくするなどしていて犯行態様は巧妙で悪質。会社の利益のためで、酌量の余地はない」と述べた。 弁護側は被告が弁護人を通じて被害法人3社に計約530万円を弁償したとし、「運送業という弱い立場で、カツオを盗むために利用されていた。事実
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元社長ら3人有罪判決 焼津カツオ盗、事前共謀を認定 静岡地裁
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件を巡り、窃盗罪に問われた神奈川県の運送会社「ホクユウ」(現ケイエスケイ)元社長の男(50)=同県南足柄市=と焼津市の水産加工会社「大熊フーズ」元社長の男(58)=同市与惣次=、都内の水産加工会社「大洋エーアンドエフ」元焼津営業所長の男(47)=同市駅北3丁目=の判決公判で、静岡地裁は28日、3被告全員に懲役2年6月、執行猶予3年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。 判決理由で国井恒志裁判長は「常習的、組織的な犯行の一環。厳しい非難は免れない」と指摘した。共謀を否認している元社長の男(58)については、冷凍カツオの売却先を確保していたことや冷蔵庫の
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水産会社元役員を静岡地検が追起訴 焼津カツオ窃盗
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、静岡地検は22日、組織犯罪処罰法違反の罪で高知県の水産加工会社「大熊」元役員の男(68)=窃盗罪で起訴済み=を静岡地裁に追起訴し、法人としての同社も起訴した。 起訴状によると、同社と被告は2021年3月19日ごろ、窃盗で得た冷凍カツオ約36トン(約570万円相当)を正規の取引で購入したように装い、犯罪収益を隠匿したとされる。
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焼津カツオ盗 運送業社長、起訴内容認める 静岡地裁公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、窃盗の罪に問われた市内運送会社の社長(62)の第2回公判が29日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、社長は起訴内容を認めた。初公判で弁護人は検察側から直前に証拠が追加開示され、検討が終わっていないと認否を留保していた。 検察側は冒頭陳述で、社長が焼津市の水産加工会社の元役員(45)の指示で、カツオを未計量のまま持ち出して冷蔵庫に運搬するなどして窃取していたと説明。未計量のカツオの運搬費についてはルートに応じて、1キロ当たり1・3~3円の支払いを水産加工会社などから受けていたとした。 起訴状によると、社長は水産加工会社の元役員らと共謀の上
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カツオ盗舞台、信用回復へ 見せて焼津漁港の底力【記者コラム 黒潮】
焼津漁港(焼津市)に水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件を巡る捜査は1年7カ月にも及び、これまでに合計三つのルートで関与したとされる水産加工会社元幹部や運送会社の従業員、当時の漁協職員らを立件した。水揚げ金額日本一を誇る焼津漁港のブランド価値に大きな傷を付けた今回の事態に危機感を持つ水産関係者は多く、信用回復に向けた取り組みが始まりつつある。あしき因習や制度を抜本的に改め、令和時代にふさわしい漁港を目指してほしい。 一連の事件に関連し、焼津漁協の第三者委員会は昨年冬、報告書を取りまとめた。問題視したのは競り落としたカツオに不良品が交じっていた場合、次の水揚げの際に現物で不良品分を補塡(ほてん)
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被告の運送業社長 カツオ盗認否留保 静岡地裁初公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、窃盗の罪に問われた市内の運送会社「堀住運送」社長(61)=同市北新田=の初公判が20日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、弁護人は起訴内容について「認否を留保したい」と述べた。 弁護人は、検察側から19日に証拠が追加で開示されたと説明した。証拠の検討が終わっていないため、認否を留保すると伝えた。 起訴状によると、被告は焼津市の水産加工会社「マルテ小林商店」元役員(45)らと共謀の上、2021年3月11日、焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオ約26トン(約425万円相当)を、同13日には約23トン(約360万円相当)を、同17日にも約28トン
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焼津カツオ盗の3被告に懲役2年6月求刑 静岡地裁公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、窃盗の罪に問われた神奈川県の運送会社元社長(49)と焼津市の水産加工会社元社長(57)、都内の水産加工会社元焼津営業所長(47)の論告求刑公判が12日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。検察側は3被告にいずれも懲役2年6月を求刑した。 論告で検察側は「継続的・常習的な犯行で、自己あるいは会社の利益を得るためという利欲的な動機に酌量の余地はない」と指摘した。最終弁論で神奈川県の運送会社元社長と都内の水産加工会社元焼津営業所長の弁護人は執行猶予付きの判決を求め、共謀を否認している焼津市の水産加工会社元社長の弁護人は「共謀を裏付ける証拠はない
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カツオ盗、被害船主と和解へ 焼津漁協の防止策評価 解決金支払い
焼津市の焼津漁港を舞台にした冷凍カツオの窃盗事件で、被害に遭った船主のうちの10社が4日、静岡県庁で記者会見し、解決金を支払うとした焼津漁業協同組合からの和解申し入れについて受け入れる考えを明らかにした。漁協によると、残りの船主もおおむね和解に応じる意向を示している。 船主側によると、解決金の支払いは損害賠償請求訴訟で焼津漁協や漁協職員、元職員を被告から外すことが条件。和解を受け入れることにした10社は極洋水産(焼津市)や明豊漁業(宮城県)など。提示された解決金額に納得できない部分はあるものの、漁協の再発防止策を評価したという。 焼津漁協は3月、解決金として15社に総額6億7千万円を支払
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カツオ窃盗事件関与で懲戒 焼津漁協の係長級職員
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合は30日までに、窃盗行為に関与したとして40代係長級の男性職員を停職2カ月の懲戒処分とした。 焼津漁協によると、処分は22日付。職員は2005年から08年まで焼津外港で勤務していた時に、未計量のカツオを冷蔵庫に運んだ見返りに、当時の上司から金銭を複数回受け取ったという。受領額は1回あたり1万円から2万円とされる。当時の上司は既に退職している。 焼津漁協が設置した内部通報制度の窓口に1月、「窃盗事件でまだ話をしていない職員がいる」などとする通報がメールで入った。焼津漁協が指摘された職員に聞き取り調査を実施したところ、関
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魚種や重量、AIが選別 焼津漁協が導入検討 カツオ盗再発防止に期待も
焼津漁業協同組合(焼津市)は水揚げされた魚の魚種や重量を人工知能(AI)を使って選別するシステム導入の検討に入った。29日までの関係者への取材で分かった。4月からカツオを中心に魚のデータ収集作業を進め、システム本格稼働に備える。長年の課題だった水揚げ作業の担い手不足解消を図るとともに、カツオ盗難事件の再発防止策としての効果に期待する。 システムを開発したのは製造機械メーカーのイシダテック(同市)。計画案では、水揚げされた魚を選別するためのレーンに2台のカメラを設置。AIが撮影した画像データを元に魚種、重量を判断し、仕分けていく。 焼津漁協とイシダテックは昨年9月、水揚げ作業の自動化に向け
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焼津、小川漁協 合併検討へ カツオ盗防止徹底に向け体質強化
焼津漁業協同組合の橋ケ谷長生組合長は16日に焼津市内で開かれた総会で、小川漁業協同組合との合併に向けた検討を始める方針を表明した。両漁協が合併することで、カツオ窃盗事件の再発防止策の徹底に向けた組織の体質強化を図る狙い。新年度は合併の具体化に向けて事務レベルでの協議を進めていく方針。 新年度の方針などを決める総会の席上で、出席した組合員に向けて表明した。総会で承認された新年度事業計画の運営方針にも、両漁協合併検討の方針が盛り込まれた。橋ケ谷組合長は小川漁協組合長も兼任していて、同漁協にも後日同様の方針を伝える見通し。 両漁協は昨年夏ごろから、職員同士で互いの仕事の進め方や課題について話し
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焼津の元社長再び否認 カツオ盗「指示したことない」 静岡地裁公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、窃盗の罪に問われた神奈川県の運送会社「ホクユウ」(現ケイエスケイ)元社長(49)と同市の水産加工会社「大熊フーズ」元社長(57)、都内の水産加工会社「大洋エーアンドエフ」元焼津営業所長(47)の公判が2日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であり、「大熊フーズ」元社長、「大洋エーアンドエフ」元焼津営業所長の被告人質問が行われた。元社長は「(「ホクユウ」(現ケイエスケイ)元社長に)相談したこともなければ『この船の魚を持ってこい』と指示したこともない」と述べ、改めて共謀を否認した。 「大熊フーズ」元社長はその上で、反省すべき点として「(盗まれた可能性が
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「否認の元社長からの指示」 焼津カツオ盗 実行、運送の実態説明 静岡地裁公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、窃盗の罪に問われた神奈川県の運送会社「ホクユウ」(現ケイエスケイ)元社長の被告(49)と同市の水産加工会社「大熊フーズ」元社長の被告(57)、都内の水産加工会社「大洋エーアンドエフ」元焼津営業所長の被告(47)の公判が25日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、「ホクユウ」の元社長の被告の被告人質問が行われた。「大熊フーズ」の元社長の被告は昨年10月の初公判で「共謀していない」と否認したが、「ホクユウ」の元社長の被告は「大熊フーズ」の元社長の被告からの指示でカツオを盗み、報酬を得ていたと述べた。 起訴状によると、「ホクユウ」の元社長の被告は
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カツオ盗背景に市場部の閉鎖性 焼津漁協第三者委、改善策を提案
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を受け、焼津漁業協同組合は24日、第三者委員会が取りまとめた報告書の要約版を公表した。事件の背景について、魚市場を運営する市場部の閉鎖性といった組織の構造的な欠陥を指摘。取引に市場部外の職員を介在させるといった体質改善策を提案した。 報告書は焼津漁協が昨年末に同委員会から受け取り、今月23日に県に提出した。公表された要約版では、同委員会の調査結果を基に、事件の背景や職員が把握できなかった原因、信頼回復に向けた課題や提言が記されている。 市場部について「ガバナンス、内部統制が構築できていない」と閉鎖的な組織のあり方に疑問を示した。職場環境につ
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焼津カツオ盗 被害額最大25億円 職員21人が不正「関与」 漁協、第三者委調査
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合が船主の受けた被害額について、資料で確認できる2015年から7年間で最大25億円と算出していたことが24日までの関係者への取材で分かった。さらに、第三者委員会が全職員に実施したアンケートで、21人の職員が、不正行為に「関与したことがある」と回答していたことも判明した。 これらの内容は焼津漁協が設置した第三者委員会の報告書に盛り込まれているという。報告書は焼津漁協が昨年末に同委員会から受け取り、今月下旬に県に提出した。 関係者によると、焼津漁協は被害額の算出に当たって、21年に調査委員会から報告書で指摘された不正行為1
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カツオ盗 処分職員10人に受け取った金額の返還求める 焼津漁協
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合は6日、事件関係者から現金を受け取ったとする職員10人について、停職2カ月~5カ月とする懲戒処分を発表した。いずれも本人が受け取ったとされる金額の返還を求めた。橋ケ谷長生組合長ら役員3人は給与の一部を自主返納する方針。 懲戒処分としたのは市場部9人、冷蔵部門1人で20代から40代の職員。焼津漁協が実施した聞き取り調査や内部通報で得た情報から現金授受が判明した。 このうち、9人は水産加工会社「マルテ小林商店」元役員の被告(45)=焼津市焼津、窃盗罪で起訴=から現金を受け取ったことを認めていて、停職期間は4カ月~2カ月。
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焼津漁協 10人懲戒処分へ カツオ盗で現金授受
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合は29日、聞き取り調査などを通じて水産加工会社「マルテ小林商店」元役員の被告(45)=焼津市焼津、窃盗罪で起訴=から現金授受を認めた市場部職員ら10人を懲戒処分する方針を固めた。関係者への取材で分かった。橋ケ谷長生組合長ら幹部についても、監督責任を取る方向で調整を進めている。 焼津漁協はこれまで、市場部職員を対象に被告らが関わったとされる窃盗事件の「第3ルート」の関与の有無について、聞き取り調査や内部通報で情報を収集した。その結果、10人が現金の授受を認めた。 漁協執行部ではこうした行為に対し、規定に従い対象職員を出
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焼津カツオ盗 第三者委が報告書 法令順守徹底、漁協に提言
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合が設置した第三者委員会は27日、一連の事件の背景や原因、再発防止に向けた提言を盛り込んだ報告書を焼津漁協に提出した。漁協職員のみならず水産関係者全体にアンケートや聞き取り調査を実施。事件の背景の一つにコンプライアンス(法令順守)意識の欠如を挙げ、組織内での順守徹底を提言した。 第三者委員会で委員長を務めた第一東京弁護士会所属の前田俊房弁護士ら委員が焼津漁協(焼津市城之腰)で開かれた理事会に出席し、橋ケ谷長生組合長ら理事に報告書の内容を説明した。報告書について、焼津漁協は県に報告した後に公表する方針。 理事会後に焼津漁
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焼津カツオ盗 第三者委 漁協に報告書提出
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合が設置した第三者委員会は27日、一連の事件についての調査をまとめた報告書を焼津漁協に提出した。報告書について、焼津漁協は年明けにも静岡県に提出した後、公表する方針。 第三者委員会で委員長を務めた第一東京弁護士会所属の前田俊房弁護士ら委員が同漁協で開かれた理事会に出席し、橋ケ谷長生組合長ら理事に報告書の内容を説明した。理事会は非公開。 委員会は9月22日に設置。前田弁護士、宅見誠弁護士、東海大海洋学部の平塚聖一教授が委員として参加し、一連の事件について発生した背景などの事実調査、冷蔵庫出入庫記録に基づいた聞き取り調査を
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複数船会社が提訴へ 焼津カツオ盗・第3ルート 漁協など相手に
焼津漁港での冷凍カツオ窃盗事件の第3ルートを巡り、被害に遭った焼津市の船会社「極洋水産」など複数の船会社が、焼津漁業協同組合や窃盗罪で起訴された被告らが所属していた水産加工会社などを相手に損害賠償訴訟を起こす方針を固めたことが15日、関係者への取材で分かった。 関係者によると、第3ルートに絡んで被害に遭った船会社を中心に来年2月ごろから、提訴に向けた準備を進めていく。窃盗罪で起訴された被告の公判の行方を確認し、窃盗行為の関与の度合いや関係性を見極め、提訴する個人や法人、請求額を詰めるという。提訴の相手は、第3ルートで静岡地検に起訴された3被告や関係する水産加工会社など3社、焼津漁協を想定し
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焼津カツオ盗 2人を追起訴 静岡地検
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、静岡地検は13日、窃盗の罪で、同市の水産加工会社「マルテ小林商店」元役員の男(45)=同罪で起訴済み=と同市の運送会社「堀住運送」社長の男(61)=同=を静岡地裁に追起訴した。 窃盗容疑で送検された堀住運送の運転手2人と同市内の水産加工会社社員を不起訴処分にし、焼津漁協の職員については罪名を窃盗ほう助に切り替えた上で不起訴処分にした。理由は明らかにしていない。 起訴状によると、両被告は堀住運送の運転手と共謀して昨年3月17日、宮城県の船会社が焼津漁港に水揚げした冷凍カツオ約28トン(約460万円相当)を盗んだとされる。
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焼津カツオ窃盗、漁協元職員ら有罪 静岡地裁、5人に判決
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件を巡り、窃盗の罪に問われた焼津漁業協同組合の元職員の男(41)=同市東小川2丁目=ら5被告の判決公判で、静岡地裁は17日、いずれも有罪判決を言い渡した。市内の水産加工会社の元社長の男(61)=同市大村新田=は共謀の成立を否定し無罪を主張していたが、地裁は「共謀を認定できる」と判断した。 「常習的、罪の意識まひ」 地裁は両被告と、焼津市内の水産加工会社の元役員の男(48)=藤枝市藤枝4丁目=に懲役3年、執行猶予3年(いずれも求刑懲役3年)を、焼津市の運送会社の運転手だった男(48)=同市本中根=、男(44)=同市田尻北=には懲
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カツオ窃盗「鹿児島ルート」 焼津の元社長、共謀否認 静岡地裁初公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件で、窃盗罪に問われた神奈川県の運送会社元社長の男(49)=同県南足柄市=と焼津市の水産加工会社元社長の男(57)=同市与惣次=、東京都の水産加工会社元焼津営業所長の男(47)=同市駅北3丁目=の初公判が12日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であった。神奈川県の運送会社元社長の男(49)と東京都の水産加工会社元焼津営業所長の男(47)は起訴内容を認め、焼津市の水産加工会社元社長の男(57)は「共謀していない」と否認した。 冒頭陳述で検察側は経緯として、顔見知りだった神奈川県の運送会社元社長の男(49)と焼津市の水産加工会社元社長の男(57)が遅く
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焼津カツオ盗一部不起訴に 船会社、検審申し立て
焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件で、宮城県の船会社が4日、窃盗容疑で逮捕された同市の冷蔵倉庫会社の50代元幹部と鹿児島県の元食品卸販売業の60代男性を不起訴にした静岡地検の処分を不服とし、静岡検察審査会に審査を申し立てた。関係者への取材で分かった。 2人は昨年3月に宮城県の船会社が水揚げした冷凍カツオを盗んだ疑いで逮捕・送検されたが、静岡地検は今年8月に不起訴処分にした。船会社側は2人が窃盗行為に深く関与していたとみていて、審査を申し立てることを決めたという。 事件に関連して、神奈川県の運送会社の元社長(49)と焼津市の水産加工会社の元社長(57)、都内の水産加工会社の
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魚市場 DX化提案 不正防止へ研究機関 焼津漁協で説明会
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合はこのほど、不正行為を防止するためのシステム構想の説明会を同漁協で開いた。「漁港漁場漁村総合研究所」(東京都)が、焼津魚市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)化構想や計量業務改善案を提案した。 魚市場のDX化構想は入船から競り、水揚げ、計量、運搬と魚が市場外に出るまでの業務に関する情報を一元管理し、リアルタイムで情報公開することで不正行為の抑止を目指す。計量業務改善案では、計量証明書やトラックの車両ナンバーを電子管理したり、搬出するトラックの動線を一方通行にしたりして、計量逃れを防ぐ。 説明会は焼津魚市場改善
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カツオ盗 第三者委が初会合 焼津漁協設置、年内めどに報告書
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合は22日、不正行為を調べる独立した第三者委員会を設置し、初会合を同漁協で開いた。弁護士と学識経験者の3人の委員が、一連の事件について調査し、年内をめどに報告書にまとめる。 委員は第一東京弁護士会所属の前田俊房、宅見誠の両弁護士と東海大海洋学部の平塚聖一教授の3人。委員の補助者として2人の弁護士も参加した。 会合は非公開。冒頭に橋ケ谷長生組合長ら漁協幹部と顔合わせした後に、委員長を前田弁護士にすることを決めた。会合終了後、前田委員長は「中立的な立場で調査を進めていきたい」と語った。 委員会は、一連の事件について発生し
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焼津カツオ盗 22日に第三者委員会設置 弁護士・教授ら3人
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合は不正行為を調べる漁協から独立した第三者委員会について、22日に設置する方針を固めた。20日までに関係者への取材で分かった。弁護士と学識経験者の計3人が委員として参加し、一連の事件について発生した背景などの事実調査、冷蔵庫出入庫記録に基づいた聞き取り調査を担う。 関係者によると、委員は第一東京弁護士会所属の弁護士2人と水産業界に明るい大学教授。漁協から独立し、事件が起こった原因、改善すべき点などについて多角的な視点で調査していく。設置期間は3カ月ほどをめどとし、報告書をまとめて焼津漁協の橋ケ谷長生組合長宛てに提出する。
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焼津カツオ盗 新潟船会社が損害賠償提訴 漁協などに762万円
焼津漁港(焼津市)で発生した冷凍カツオの窃盗事件に関連し、新潟県の船会社が13日、焼津漁業協同組合と焼津市の水産加工会社、同市の運送会社、窃盗の罪で起訴された6被告ら7人を相手取り、計762万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。 訴状によると、7人は共謀し、2018年4月までに船会社の漁船が焼津漁港に水揚げしたカツオの一部を盗み、同社に762万円の損害を与えたとしている。7人が所属していた漁協などの3者には、それぞれ使用者責任があると主張している。 3者と7人を巡っては、水揚げしたカツオを盗まれたとして、焼津市の船会社と長崎県の船会社も損害賠償を求める訴訟を起こしている。
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焼津カツオ盗 漁協職員に懲役1年6月、執行猶予3年 静岡地裁
焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオが抜き取られた事件を巡り窃盗罪に問われた焼津市小土、焼津漁業協同組合の職員の男(32)の判決公判で、静岡地裁は12日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。国井恒志裁判長は「組織的な窃盗の一環。魚市場に対する社会の信頼を傷つける」と指摘した。 国井裁判長は判決理由で「焼津漁協内で半ば堂々と行われた大胆かつ計画的な犯行」と述べた。「帳面」と呼ばれる計量担当の立場を悪用し「犯行に必要不可欠な役割を果たした」と強調し、報酬目的で加担した動機を「厳しい非難は免れない」と批判した。一方、反省し漁協の信頼回復に努めると誓っている点などを踏
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冷凍カツオ盗難事件の焼津魚市場 デジタル化へ先進地視察 大船渡/気仙沼
冷凍カツオ盗難事件の舞台となった焼津魚市場。運営する焼津漁業協同組合は市場を一新させる策の一つとして、デジタル化に乗り出す。8月17、18両日には漁協で業務の改革を担う職員らがそのヒントを探ろうとデジタル化の先進地として知られる大船渡市(岩手県)、気仙沼市(宮城県)両魚市場を視察した。 再発防止 漁協職員が模索 大船渡市魚市場は2014年の高度衛生管理型魚市場の整備事業に合わせて、情報通信技術(ICT)を活用した管理システムを構築した。魚市場内のサーバーで計量、運搬、入札といった各段階の情報を一元的に管理している。 水揚げした魚は鮮度を保持するために魚市場が用意した「タンク」と呼ぶ箱に
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焼津魚市場をデジタル化へ カツオ盗で漁協方針
焼津漁業協同組合(焼津市)は6日までに、運営する焼津魚市場で取引の「見える化」を推進するため、デジタル化導入に向けた実施計画を策定する方針を固めた。冷凍カツオ盗難事件の舞台となった魚市場を一新することで、再発防止を図る。 焼津漁協はカツオ盗難事件の再発防止策の一つにデジタル化の取り組みを位置づけている。水揚げした魚の計量、販売、運搬といった情報をデジタル管理する。 具体的には、タブレット端末を使用した電子入札や計量データの一元管理などが想定されている。計画には導入するめどの時期も定める見通しで、市場関係者の理解を得ながら、進めていく。 焼津漁協は4月、若手職員らでつくる「焼津魚市場改善
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長崎の船会社が提訴 焼津カツオ盗で損賠 3者7人に823万
焼津漁港(焼津市)で発生した冷凍カツオの窃盗事件に関連し、長崎県の船会社「兼井物産」が1日、焼津漁業協同組合や焼津市の水産加工会社「カネシンJKS」、同市の運送会社「焼津港湾」、窃盗の罪で起訴された6被告ら7人を相手取り、計823万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。 訴状によると、7人は共謀し、2018年4月ごろまでに兼井物産の漁船が焼津漁港に水揚げしたカツオの一部を盗み、同社に823万円の損害を与えたとしている。7人が所属していた3者にはそれぞれ使用者責任があると主張している。 3者と7人を巡っては、水揚げしたカツオを盗まれたとして、焼津市の船会社「極洋水産」から損害賠償を
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焼津カツオ盗 元漁協職員らに懲役3年求刑 静岡地裁
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオが流通段階で不正に抜き取られた事件で、窃盗の罪に問われた焼津漁業協同組合の元職員の被告(41)=同市東小川2丁目=と同市の水産加工会社の元社長の被告(61)=同市大村新田=、同社元役員の被告(48)=藤枝市藤枝4丁目=ら5人の論告求刑公判が1日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であり、検察側は焼津漁協元職員、水産加工会社元社長、同社元役員の3被告に懲役3年を求刑した。 焼津市の運送会社で運転手をしていた被告(47)=同市本中根=と別の被告(43)=同市田尻北=には懲役2年6月を求刑した。 論告で検察側は「常習的かつ組織的に行われていた犯行の一環。会社の利益や
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焼津カツオ盗9人不起訴 静岡地検、鹿児島の元卸業者ら
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、静岡地検は19日、窃盗容疑で逮捕・送検された運送会社元社長ら7人を不起訴処分とし、窃盗容疑で書類送検された焼津漁協職員ら2人について罪名を窃盗ほう助に切り替えた上で不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。 7人は、神奈川県の運送会社元社長の男(49)や焼津市の水産加工会社役員の男(57)、都内の水産加工会社の焼津営業所長を務めていた男(46)のほか、鹿児島県の元食品卸売販売業の男性ら。昨年3月に宮城県の船会社が水揚げした冷凍カツオ8トンを盗んだなどとして逮捕された。書類送検されていた2人は焼津漁協の20代職員と30代元職員。 運送
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焼津漁協に措置命令 静岡県、カツオ盗再発防止求め
静岡県は18日、焼津漁港での冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合に再発防止を求める措置命令を出した。県庁で板橋威水産・海洋局長が同漁協の橋ケ谷長生組合長に命令書を手渡した。 水産業協同組合法に基づく措置で、同漁協が7月28日に県へ提出した報告書に盛り込んだ再発防止策を迅速かつ着実に実施し、取り組みの進捗(しんちょく)状況を3カ月ごとに報告することを求めた。 県は長年にわたり漁協職員が関与して窃盗が行われていた事実の重大性や悪質性、不正を抑止する体制が未整備である点などを考慮したとしている。県は漁協が不正防止に向けてつくる、第三者機関による調査報告書の速やかな提出などを求める報告徴求
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焼津カツオ盗損賠 船会社が追加提訴、3者7人に558万円 静岡地裁
焼津漁港で発生した冷凍カツオの窃盗事件に関連し、焼津市の船会社「極洋水産」が16日までに、焼津漁業協同組合や同市の水産加工会社「カネシンJKS」、同市の運送会社「焼津港湾」、窃盗の罪で起訴された6被告ら計7人を相手取り、計約558万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。極洋水産は昨年11月に3者と7人を相手に損害賠償訴訟を起こしていて、今回はその追加措置となる。 訴状によると、3者と7人は共謀し、2018年4月ごろまでに、極洋水産の漁船が焼津漁港に水揚げしたカツオの一部を盗み、極洋水産に計約558万円の損害を与えたとしている。7人が所属していた3者にはそれぞれ使用者責任があると主張
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焼津漁協に措置命令へ 静岡県、カツオ盗再発防止報告求める
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、県が近く焼津漁業協同組合に水産業協同組合法に基づく措置命令を出す方針を固めたことが15日、関係者の取材で分かった。県内の漁協に措置命令が出るのは今回が初めて。 焼津漁協は7月28日、不正行為について調べる第三者機関の設置や法令等順守についての経営姿勢の明確化など再発防止策を盛り込んだ報告書を県に提出した。措置命令で県は焼津漁協に対し、提出した再発防止策を迅速かつ着実に実行することや、進捗(しんちょく)状況を3カ月ごとに報告するよう求める方針。 冷凍カツオの窃盗事件では、焼津漁協元職員1人と現職員1人が窃盗罪で起訴され、元職員1人が静
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焼津漁協「信頼回復へ改革」決意 カツオ盗巡り再発防止報告書
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合は28日、再発防止策を盛り込んだ報告書を県に提出した。不正行為について調べる第三者機関は、8月末までに設置する方向で調整するとしている。 焼津漁協の橋ケ谷長生組合長ら幹部が県庁を訪れ、板橋威県水産・海洋局長に報告書を手渡した。橋ケ谷組合長は報道陣に「(報告書を)着実に実行し、信頼を取り戻すべく改革に取り組んでいく」と決意を述べた。報告書について板橋局長は「内容はこれから精査していく」と述べた。 再発防止策は、第三者機関による事実調査と公表▽法令等順守についての経営姿勢の明確化▽再発防止のためのソフト・ハード両面の環境
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入札方法導入巡り仲買人と漁協議論 焼津カツオ盗
焼津漁業協同組合と、仲買人らでつくる焼津市魚仲水産加工業協同組合の両組合員が焼津魚市場の運営について話し合う市場委員会が26日、焼津市の焼津漁協で開かれた。魚の競りを入札方式に変更すべきかについて意見を交わした。 市場委員会は仲買人の意見を漁協に届ける場として設置されていたが、しばらく休止していた。カツオ窃盗事件の再発防止策の一環として、5月から月に1回会合を開催し、今回初めて会合の一部を報道陣に公開した。 焼津漁協職員は「(入札方式は)談合など不正が起きるのでは」とする船主側の指摘を紹介した。仲買人の委員は、デジタル化で不正は防げると指摘し「人の介在しないやり方にすべきだ」と主張。漁協
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再発防止へ第三者機関 カツオ盗巡り焼津漁協、8月末までに
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオ窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合が第三者機関を8月末までに設置する方向で調整していることが26日、分かった。焼津漁協は同日の理事会で、第三者機関の設置を柱にした再発防止策を承認した。近く県に提出する。 第三者機関については、焼津漁協の再発防止委員会が取りまとめた答申書に提言として盛り込まれていた。一連の事件について、発生した背景などの事実調査、冷蔵庫出入庫記録に基づいた聞き取り調査を担う。8月末までに委員の人選など設置に向けた作業を進めていく。 再発防止策は、法令等順守についての経営姿勢の明確化▽再発防止のためのソフト・ハード両面の環境整備▽組織的
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焼津魚市場「透明性」模索 カツオ盗舞台、改革へ職員議論白熱
冷凍カツオの窃盗事件の舞台となった焼津魚市場(焼津市)の改善策について話し合う焼津漁業協同組合の職員でつくるチームの議論が本格化している。メンバーは魚市場で働く職員たちが中心。日常業務の問題点を徹底的に洗い出し、デジタル化することで市場運営の透明化が図れないかと模索している。 チームは今年4月に発足した。メンバーは市場や冷蔵庫といった現場で働く40代、30代の職員9人で構成。初会合では日頃から感じている課題を改めて出し合った。水揚げ後の計量や競りといった業務から人材育成、女性の働き方、喫煙対策など、組織のさまざまな問題点が浮き彫りとなった。2回目以降はこれらの意見を下地に、改善に向けての話
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焼津漁協職員に懲役1年6月求刑 カツオ盗事件、静岡地裁初公判
焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオが不正に抜き取られた事件で、窃盗の罪に問われた焼津市小土、焼津漁業協同組合職員の男(32)の初公判が20日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、被告は起訴内容を認めた。検察側が懲役1年6月を求刑し、即日結審した。判決は9月12日の予定。 被告は事件当時、帳面と呼ばれる計量担当職員だった。冒頭陳述で検察側は、遅くとも2018年ごろまでに、漁協の上司だった同漁協元職員の男(40)=同罪で公判中=または焼津市の水産加工会社の元役員の男(48)=同=に言われる形で、同社が正規に競り落としたカツオと一緒に未計量のカツオを渡すようになったと指摘。元役員の男から大
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焼津カツオ盗初公判 元社長否認「共謀ない」 静岡地裁
焼津市の水産加工会社が焼津漁港に水揚げしたカツオが流通段階で不正に抜き取られた事件で、窃盗の罪に問われた同市の水産加工会社の元社長の男の被告(61)=同市大村新田=や焼津漁業協同組合で水揚げ全般を仕切っていた元職員の男の被告(40)=同市東小川2丁目=ら5人の初公判が20日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であった。元社長の被告は「共謀したことはなく、窃盗の実行行為をしたこともない」と起訴内容を否認し、弁護人は「盗品等有償譲り受けの罪が成立するのみ」と述べた。元職員の被告ら4人は起訴内容を認めた。 ほかに窃盗の罪に問われている3人は、水産加工会社の元役員の男の被告(48)=藤枝市藤枝4丁目=と、
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焼津漁協組合長辞任へ カツオ盗で体制刷新 専務理事も
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオの窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合の西川角次郎組合長(83)が任期途中で辞任する意向を固めたことが9日、関係者への取材で分かった。松永喜一郎専務理事(67)も同時に辞任する見通し。焼津漁協の再発防止委員会は同日、答申をまとめる方向で協議が進んでいる。西川、松永両氏は答申を一つの区切りとし、再発防止策の実行に向けて体制刷新を図るべきと判断したとみられる。 冷凍カツオの窃盗事件では、漁協職員や水産加工会社、運送会社の経営陣が逮捕される事態に発展。これまでに漁協元職員1人が窃盗罪で起訴され、現役職員と元職員の2人が静岡地検に書類送致されている。 こうし
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焼津漁協、カツオ盗再発防止で中間報告 不良品の魚、苦情窓口設置へ
焼津漁港(焼津市)に水揚げしたカツオが流通段階で抜き取られた事件に関連し焼津漁業協同組合は15日までに、再発防止に向けた取り組み状況を中間報告として公表した。市場で購買後の魚に不良品が見つかったといった商品の苦情を申し立てる専用窓口を設置することなどの方針を示した。 焼津漁協は昨年11月の調査報告書で、仲買人が競り落としたカツオに鮮度の悪い不良品が混じっていた場合、船会社の許可を得ないまま、漁協のセリ人の独断で、次の水揚げの際に現物で不良品分を補塡(ほてん)する行為があったと指摘していた。 中間報告では、仲買人から直接セリ人に苦情を入れることが「不正取引の一因になっていた」として、漁協内
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焼津カツオ盗 加工会社元社長ら追起訴 静岡地検
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオが流通段階で抜き取られた事件で、静岡地検は31日、窃盗の罪で市内の水産加工会社の元社長の被告(60)=同市大村新田=と同社元役員の被告(47)=藤枝市藤枝4丁目=を静岡地裁に追起訴し、焼津漁協職員の容疑者(31)=焼津市小土=を起訴した。 起訴状によると、3人は共謀の上、2020年8月5日午前7時半ごろから同日午後1時5分ごろまでの間、焼津漁協の魚市場で、大倉漁業(新潟県)が所有する冷凍カツオ約0・9トン(時価約13万円)を盗んだとされる。
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焼津漁協、2人懲戒解雇 カツオ盗に関与 15人を出勤停止
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオの窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合は17日、窃盗行為に関与した職員に対する懲戒処分を発表した。静岡地裁に窃盗罪で起訴されている市場部係長級職員の被告(40)ら2人を懲戒解雇、課長級以下の職員15人を出勤停止処分とした。 懲戒解雇としたのは、被告と、過去に窃盗行為に関与したことを漁協の調査で認めた市場部管理職級職員。2人は見返りとして金品を受け取ったとしている。関与を認めている別の管理職級職員については、定年退職後に嘱託として在籍しているが、契約更新を行わない。 課長級、係長級、現場クラスの職員15人は、業者の求めに応じて窃盗行為に関与し、見返りに金
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運送会社にも誓約書求める方針 焼津漁協のカツオ盗再発防止委
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオの窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合の再発防止委員会は14日、第5回の会合を開いた。漁港内で業務する運送会社に、不正行為を行わないとした内容の誓約書を提出させる方向で検討に入った。今後、対象とする事業者をどこまで含めるかや禁止事項など詳細な文面について協議する。 会合は非公開で行われた。委員長の加藤将和弁護士によると、運送会社に対する再発防止策が議題に挙がった。未計量の車両が市場外に出てしまった場合に備えるため、車両や運転手の情報が記載された名簿を漁協へ提出させることも話し合われた。今後、水産加工会社についても具体的な再発防止策を検討していくという。
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カツオ盗事件質問相次ぐ 「市は当事者意識を」 焼津市議会
3日開催の焼津市議会2月定例会の代表質問では、焼津漁港(焼津市)を舞台とした冷凍カツオの窃盗事件に関連する質問が相次いだ。渋谷英彦(凌雲の会)、杉崎辰行(市民派議員団)、深田ゆり子(共産党)の3氏がいずれも、焼津漁港の信頼回復に向けた市の取り組み姿勢について尋ねた。 中野弘道市長は焼津漁業協同組合の監督権限を有するのが県であることを踏まえ、「日本一のさかなのまちとして発展していけるよう全力で取り組む」と答えた。 「市として当事者意識を持つべき」との杉崎氏の指摘に、中野市長は市幹部がメンバーとして入る再発防止委員会を通じて、信頼回復に向けた議論をしていく見解を示した。カツオを水産流通適正化
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漁協の実務トップ、再発防止委委員に 対策を迅速化 焼津カツオ盗
焼津漁港(焼津市)を舞台にした冷凍カツオの窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合の再発防止委員会は24日、第4回の会合を開いた。再発防止に向けた漁協の取り組みが遅れているという委員からの指摘を受け、焼津漁協の松永喜一郎専務理事を委員に加えることを決定した。漁協の実務トップをメンバーに入れることで、対策の迅速化を図っていく。 会合は非公開で行われた。出席者によると、委員長の加藤将和弁護士が、第2回会合で決定した漁協全職員に不正行為を行わないとした内容の誓約書が、依然として回収完了していない現状などを挙げ、活動期間の6月末までに議論が終わらないと指摘した。再発防止策に対する経営トップの関与の弱さを課
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焼津カツオ盗 漁協職員ら4人を追起訴 静岡地検
焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオが流通段階で抜き取られた事件で、静岡地検は31日、窃盗の罪で焼津漁業協同組合職員の男(40)=同市東小川2丁目、同罪で起訴済み=ら4人を静岡地裁に追起訴した。 他に追起訴された3人は、焼津市の水産加工会社社長の男(60)=同市大村新田=、同社役員の男(47)=藤枝市藤枝4丁目=、運送会社元社員の男(47)=焼津市本中根=の各被告。 起訴状によると、4人は共謀し、2020年8月29日午前7時ごろから同8時20分ごろまでの間、焼津漁港の魚市場で、冷凍カツオ約1・6トン(時価計約32万円)を盗んだとされる。必要とされる計量を行わず、カツオが入ったパレットに「
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焼津カツオ盗 損賠訴訟 静岡地裁初弁論、被告ら争う姿勢
焼津漁港に水揚げされたカツオが流通過程で抜き取られた窃盗事件に関連し、焼津市内の水産加工会社が、事件に関与したとされる焼津漁業協同組合と同市の水産加工会社、同市の運送会社、窃盗の罪で起訴された5被告を含む7人に対し、約3千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が27日、静岡地裁(菊池絵理裁判長)で開かれた。被告らは請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。 原告側代理人の河村正史弁護士によると、被告らはいずれも認否を留保していて、今後、主張を明らかにしていく意向だという。今回の民事訴訟で提訴された10被告のうち、3被告は損害の一部を弁償する意思を示している。 閉廷後に取材に応
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発覚前、県に匿名通報2度 県議会委で報告 焼津カツオ盗
焼津漁港を舞台とした冷凍カツオの窃盗事件を巡り、県は15日の県議会産業委員会で、事件発覚前に匿名の電話で「焼津魚市場で窃盗が行われている」との通報が2度あったと報告した。 板橋威水産・海洋局長は「4月と7月の2度通報があったが、内容に具体性が乏しく、根拠も不明確だった」と説明。その上で「焼津漁業協同組合で卸売市場法に基づく4年に1度の定期検査が予定されていたため、その中で事実関係などを確認することにしていた」と明らかにした。 今後の監督指導の方針については、漁協側が11月に公表した調査報告書の内容を受け、「事件を契機に風通しの良い組織風土に改まるよう、さまざまな見直しを求めていく」とした
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カツオ盗被害で損賠提訴へ 焼津の加工会社、漁協や2社相手
焼津漁港に水揚げしたカツオが流通段階で抜き取られたとして、焼津市内の水産加工会社が26日にも、焼津漁業協同組合や同市の水産加工会社、同市の運送会社、窃盗の罪で起訴された5被告らを相手取り、約3千万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こす方針を固めた。 訴えの対象は、焼津漁協と2社のほか、焼津漁協職員の男(40)=焼津市東小川2丁目=、水産加工会社元社長の男(60)=同市大村新田=、同社元役員の男(47)=藤枝市藤枝4丁目=、運送会社社員の男(47)=焼津市本中根=、同社員の男(43)=同市田尻北=の5被告と、30代の焼津漁協職員と元職員の2人=窃盗容疑で逮捕、処分保留で釈放=。 関係者