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プロ初先発で初本塁打の広島・二俣選手 磐田東高時代からの成長をチェック!!

 プロ野球・広島カープの二俣翔一内野手が、4月25日の試合でプロ初先発・初本塁打を成し遂げました。御前崎市立第一小1年の時に「黒潮野球スポーツ少年団」で野球と出会い、浜岡中時代は「小笠浜岡リトルシニア」に所属。磐田東高では1年から主力を担ってきた二俣選手。ついにプロ4年目で、センセーショナルな先発デビューを果たしました。これからの活躍を思うと期待が高まりますね。高校時代からの成長を振り返ります(年齢、ポジションなどは当時の表記になっています)。
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【磐田東高時代、最後の夏】捕手→救援に対応 “二刀流”で県大会初戦突破に貢献

※2020年07月13日 静岡新聞夕刊

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磐田東―浜松工 1回表磐田東、左翼線に安打を放つ先頭打者の二俣=浜松球場
 

 ▽1回戦(浜松第1試合)
 磐田東 3210002―8
 浜松工 0201002―5
▽二塁打 幸脇、渡辺(磐)清水(浜)▽暴投 杉田、長倉2(浜)
▽試合時間 2時間10分

 【評】磐田東が序盤から得点を重ね、粘る浜松工を振り切った。
 磐田東は初回、幸脇の適時二塁打で先制すると打線がつながり、一気に3点を奪った。二回には小林の適時打などで2点を加え、序盤に主導権を握った。
 浜松工は最終回、伊藤昌の適時打など4安打を集めて2点を返したが、及ばなかった。
 140キロ台を連発 輝き見せた「非凡な才能」  磐田東のプロ注目の好打者二俣が投打の“二刀流”で活躍した。チームのリードオフマンとして浜松工の投手陣攻略の口火を切った。本職は捕手だが、終盤にはマウンドに上がり、持ち前の強肩で相手をねじ伏せた。
 初回は打者として存在感を発揮。「相手に警戒されているはず。甘い球を逃さないよう意識していた」と2球目のスライダーを迷わず振り抜き、左前にはじき返した。「自分が塁に出るのが得点パターン」との言葉通り、幸脇の二塁打で先制のホームを踏み、チームを勢いづけた。
 3点差に迫られた五回からは2番手で登板し、140キロ台の速球を連発。追い上げムードだった浜松工打線を封じた。山内監督は「非凡な才能の持ち主」と活躍をたたえた。
 ただ、本調子でなかった先発投手を支えられず本職の捕手としては課題が残った。二俣は「次戦はバッテリー同士もっとコミュニケーションを図っていきたい」と表情を引き締めた。

【2年生の時からプロスカウトも注目】「肩には絶対的な自信がある」

※2020年10月23日 静岡新聞朝刊

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強肩が魅力の二俣=磐田東高
 

 抜群の身体能力を誇る二俣。サッカーをはじめ、どんな競技も人並み以上にこなす。捕手が本職だが、高1夏に遊撃手で先発入りし、投手としても最速144キロを記録した。
 プロのスカウトの目に留まったのは昨夏。当時のエースを見に来たスカウトが二俣の強肩に驚き「1年間追わせてもらう」とチームに言い残していった。二俣も「肩には絶対的な自信がある」と言い切る。遠投120メートル、二塁への送球タイムは1秒79と驚異的だ。
 磐田東の山本監督は「入学当初、三遊間の当たりをどんな姿勢で取っても低く、ノーバウンドで送球してきて驚いた」と振り返る。制球力は父豪良さんとのキャッチボールで磨いた。「相手が遠くなっても届かせるために、上に投げるのではなく、低く、強くと教わってきた」と二俣。身長は夏から2センチ伸びて180センチに到達。「さらに肩が強くなった」と伸び盛りの18歳は「プロで長く活躍できるように」と、部活動引退後も全力で練習に打ち込む。

【歓喜のドラフト】広島から育成1位指名「1軍定着目指す」

※2020年10月27日 静岡新聞朝刊

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広島から育成ドラフト1位指名を受けた二俣翔一捕手=磐田東高
 

 広島から育成1位で指名された二俣は表情を変えず、集まった報道陣を前に「指名されたことが一番の喜び。親と監督に感謝したい」と語った。野球部の仲間に祝福を受け、笑顔が広がった。
 180センチで遠投120メートル、二塁への送球は1秒79と高校生としては群を抜く強肩を誇る。強肩強打の捕手として活躍する西武の森を目標に挙げ、「ソフトバンクの周東選手の盗塁を刺したい」と抱負を述べた。
 磐田東高からのプロ入りは4人目。山本監督は「入学した時、肩の強さに驚いた。15年、20年現役を続ける選手を目指して」と将来性に期待する。
 高卒捕手として1軍の舞台を目指すことになるが、広島の厳しい練習や定位置争いが待ち受ける。二俣は「まだ体ができていない。早く支配下になって3年で1軍に定着できれば」とプロ生き残りへ決意をにじませた。

【入団4年目キャンプ】躍進予見?強打でアピール

 若手野手のアピール合戦が続く広島で、21日は4年目の内野手、二俣(磐田東高出)が存在感を示した。沖縄市で行われたDeNAとの練習試合で二塁打を2本。どちらも左翼へ引っ張った強烈な打球で「バットのヘッドが返ったところが打てた」と満足そうだ。2本目は、チーム唯一の得点をたたき出す適時打だった。

DeNAとの練習試合で適時二塁打を放つ広島・二俣=沖縄
DeNAとの練習試合で適時二塁打を放つ広島・二俣=沖縄
 磐田東高から育成ドラフト1位で入団し、2022年11月に支配下契約を勝ち取った21歳。オフに自身にとって体重が増えやすい食品群を調べる遺伝子検査を受け、5キロの増量に成功した。新井監督は「昨年より(体の)軸が強化されている」と成長した点を挙げた。
 力強いスイングを披露し、1軍デビューへ突き進む。「初ヒット、初ホームランを目標にしている。食らい付いていくキャンプにしたい」と意気盛んだ。
〈2024.2.22 あなたの静岡新聞〉
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