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太田(浜松日体高出)2位、パリ切符へ前進 エコパで陸上日本選手権1万メートル 鈴木芽吹4位

 パリ五輪の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権1万メートルは3日、エコパスタジアムで行われ、男子は太田智樹(トヨタ自動車、浜松日体高出)が27分20秒94で準優勝した。五輪参加標準記録(27分0秒00)は突破できなかったが、出場に関わる世界ランキングで、日本人最上位になることがほぼ確実になった。

男子1万メートル 力走する2位の太田智樹(右)と4位になった鈴木芽吹(左)=エコパスタジアム
男子1万メートル 力走する2位の太田智樹(右)と4位になった鈴木芽吹(左)=エコパスタジアム
男子1万メートル 力走する太田智樹。準優勝した
男子1万メートル 力走する太田智樹。準優勝した
男子1万メートル 力走する太田智樹(左から2人目)。準優勝した
男子1万メートル 力走する太田智樹(左から2人目)。準優勝した
男子1万メートル 表彰式で声援に応える準優勝した太田智樹
男子1万メートル 表彰式で声援に応える準優勝した太田智樹
男子1万メートル 力走する4位になった鈴木芽吹(右)
男子1万メートル 力走する4位になった鈴木芽吹(右)
男子1万メートル 力走する4位になった鈴木芽吹
男子1万メートル 力走する4位になった鈴木芽吹
男子1万メートル 力走する(左から)2位の太田智樹と4位になった鈴木芽吹
男子1万メートル 力走する(左から)2位の太田智樹と4位になった鈴木芽吹
男子1万メートル 優勝した葛西潤
男子1万メートル 優勝した葛西潤
男子1万メートル 力走する2位の太田智樹(右)と4位になった鈴木芽吹(左)=エコパスタジアム
男子1万メートル 力走する太田智樹。準優勝した
男子1万メートル 力走する太田智樹(左から2人目)。準優勝した
男子1万メートル 表彰式で声援に応える準優勝した太田智樹
男子1万メートル 力走する4位になった鈴木芽吹(右)
男子1万メートル 力走する4位になった鈴木芽吹
男子1万メートル 力走する(左から)2位の太田智樹と4位になった鈴木芽吹
男子1万メートル 優勝した葛西潤

 葛西潤(旭化成)が27分17秒46で優勝し、3位の前田和摩(東農大)は27分21秒52のU―20(20歳以下)日本新記録をマーク。鈴木芽吹(トヨタ自動車、熱海泉中出)が27分26秒67で4位に入った。
 女子は五島莉乃(資生堂)が30分53秒31の好記録で優勝し、小海遥(第一生命グループ)が31分10秒53の2位。五輪参加標準記録(30分40秒00)突破者はいなかった。
▽男子 ①葛西潤(旭化成)27分17秒46②太田智樹(トヨタ自動車)27分20秒94③前田(東農大)27分21秒52
▽女子 ①五島莉乃(資生堂)30分53秒31②小海(第一生命グループ)31分10秒53③兼友(三井住友海上)31分59秒29

■太田2位、故郷で死力執念のスパート  決死のスパートにパリ五輪への執念がにじむ。ラスト100メートル。男子の太田(トヨタ自動車、浜松日体高出)が2位の前田(東農大)を差しきった。五輪ランクで27人の出場枠中27番目と崖っぷちにいた26歳が、貴重な順位ポイントも上積みし、残り3枚のパリ切符へ大きく前進。中学から慣れ親しんだエコパで死力を尽くし、「できることはやりきった」と言い切った。
 五輪ランク日本人最上位の田沢(トヨタ自動車)が欠場し、日本記録を持つ塩尻(富士通)は中盤で崩れた。東京五輪代表の相沢(旭化成)も上がってこない。そんな波乱の一戦で、太田が実力通りの走りを見せた。1000メートルをきっちり2分45秒で刻み自己2番目の27分20秒94。「表彰台という最低限の目標に、記録も付いてきた」と納得の表情だ。
 3月の米国記録会は調子が上がらない中で27分26秒41。今回も「練習の動きはしっくりこなかった」という。それでも27分20秒台でまとめる安定感は日本人では群を抜く。
 今後は1万メートルを走る予定はなく、あとは吉報を信じるだけ。ただ、21日のゴールデングランプリ、6月の日本選手権とも5000メートルにエントリーした。「安定しているだけでは戦えない。26分台ランナーは(5000メートル)を12分台で走っている」。真夏のパリを思い描き、世界と勝負するスピードを磨く。
■鈴木(熱海泉中出)悔しさ残る4位「世界はまだ遠い」  鈴木(熱海泉中出、トヨタ自動車)は3年ぶりの日本選手権で27分26秒67の4位。社会人として初の大舞台で終盤までレースを引っ張ったが、残ったのは充実感ではなく悔しさ。「順位以上に(上位との)差を感じた。世界はまだ遠い」と唇をかんだ。
 7000メートル付近では一時前に出るなど快走。ただ、最後の1000メートルで葛西(旭化成)らに引き離され、「地元でのレースに気持ちは高ぶっていたが、目標通りに走ることの難しさをすごく感じた」と反省を口にする。
 駒大では1年から箱根駅伝の主力に定着し、4年時は優勝こそ逃したものの主将としてチームをけん引。今春から社会人となり、「今までは走るのが好きという小さい頃からの(気持ちの)延長だった。これからは絶対に結果を出さなければ」と責任感がにじむ。「来年の世界陸上で1万メートルに出たい。どれだけ自分がやれるか、しっかり走っていく」。視線を力強く世界に向けた。

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