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名物だんごだけでなく、映えるフォトスポットとしても立ち寄りたい名所 法多山名物だんご企業組合 /袋井

カメラマンの望月やすこさんが取材中に出合った、身近にあるけど「へ〜〜」な求人情報を紹介する企画「こんな求人見つけてきました」。今回は、「法多山名物だんご企業組合」です。
※12月9日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

袋井名物の起源は江戸時代?!


望月:今回は、袋井市にある法多山の厄除だんごを販売している「法多山名物だんご企業組合」を紹介します。普段なかなか知ることができないあんなことまで代表理事の井谷哲朗さんに話を伺ってきました。

ルーツは江戸時代。毎年お正月に江戸幕府の天下泰平を願って、法多山の祈祷の護符と当地の名産品を献上する習わしがありました。1854年、13代将軍 徳川家定の頃に、登城の土産に串に刺さっただんごを添えたのがはじまり。それを将軍家が「くしだんご」と命名し、それ以来、一般参拝客が俗に「厄除だんご」と呼ぶようになりました。次第にたくさんのだんご屋さんが境内に並び、出店希望者も続々と増えていったため、2年に1回権利を抽選をして、出店者や販売する場所を決めていたそうです。

そして時が流れ、高度経済成長期の頃に衛生面なども踏まえ、今まで店を出していた出店者たちで「法多山名物だんご企業組合」を設立し組合が誕生しました。

原口:なるほど。そんな歴史があったんですね。

望月:ちなみに「厄除だんご」は、法多山のすぐ下にあるだんご工場であんことだんごを別々に作っているんですよ。これを、法多山 尊永寺の境内にあるだんご茶屋に運んで合体させ、正真正銘の”メイドイン法多山”になってご利益が生まれる仕組みになっています。だからこそ、わざわざここへ来て買うからいいというわけなんです。

季節の移ろいも楽しめる「厄除だんご」の正しい食べ方とは?


望月:だんごの種類としては、基本の「厄除だんご」をはじめ、月に一度のお茶湯日に限定販売されるお餅にお茶が練り込まれている「お茶だんご」、桜の季節限定の「桜だんご」(3月下旬〜4月上旬)、紅葉の季節限定の「栗だんご」と美味しい味が揃っています。「栗だんご」に関しては、今年は11/26〜12/4のわずか9日間の限定販売というほどにレアもの。お餅の中にもあんこの中にも刻んだ栗が入っていて、これがまた美味しいんです。基本の「厄除だんご」も人気がありますが、限定の味は特に人気で、朝から行列ができるそうです!

実は、今まで製造にチャレンジしたが販売を諦めた「厄除だんご」もあるそうなんです。どんな味だと思いますか?

原口:えーっと、、。袋井だからメロンですか?

望月:正解です。袋井産のクラウンメロンを中に練り込もうと思ったけれど、味がピンとこなかったそう。柿味もダメだったそうです。                 

原口さんは、「5本の串に刺さった団子は、頭・首・胴体・手・脚を表す」って聞いたことありませんか?5本で五体を表すから、一カサ分5本丸ごと一口で食べないとご利益がないのか、食べ方についても井谷さんに聞いてみたところ、食べやすいように食べれば何でも構わないそう。

「厄除だんご」をお土産として買って行き、ご近所や誰かに配ると自分の厄が落ちるという昔からの三河の人の言い伝えがあるそう。またもっと昔は、一カサは自分で食べてもう一カサは境内の橋から投げると厄が落ちるとも言われていたそうですよ。もちろん今は禁止されています。

気になる「厄除だんご」の売り上げは?

原口:ちなみにこの「厄除だんご」、毎日どれくらい売り上げがあるんですか?

望月:雨の日の平日で200個、年末年始は数万箱だそうです。賞味期限が常温保存でわずか2日なので年末年始はこの数万個を作り置きせずに、毎日作らないといけません。そのため、普段は15〜20人で作っているところを年末年始は200人近くの人で作っているそうです。

この年末年始も12/31〜1/9の10日間求人を募集しています。時給は1,200円以上(高校生は1,000円)。正月手当も付くそうで、だんご茶屋でお茶とだんごを出す仕事をメインに、食器洗い、交代で袋詰め、お土産の販売や接客など未経験者歓迎のお仕事内容になっています。正月手当は、厄除だんごの金額に換算すると毎日数箱分、隣近所に配れるくらい付くそうです(笑)。中には、毎年恒例でやっている人や20年以上通っているベテランの方も働いている魅力的なお仕事です。

何度行っても楽しめる!押さえておきたい映えスポット


望月:さらに今は、お参りだけでなく若い世代の季節によって変わるインスタ映えのフォトスポットとしても有名です。秋は、赤や青、紫、緑、ピンク、白といったカラフルな和傘が室内の壁一面に飾ってあり、人が立ちたくなる位置に顔を照らすスポットライトを仕込んであります。スポットライトの下に立てば、背景の和傘の壁も自分の顔が美しく映るような配置になったり、思わずびっくりする仕掛けがたくさんです。きっとこれはどこかの広告代理店の人が集客を図ってやっていると思っていましたが、これも法多山のスタッフが考えているというから驚きました。

広報担当の方は写真好きらしく、カメラを持って行った際に楽しめるように場所によって撮りやすさの難易度を変えていたり、朝・昼・晩で美しさの見え方が変わるようにして、何度来ても飽きずにいろいろな写真が撮れるような工夫を凝らしています。もちろん、どなたでもきれいに撮れるスポットも用意してくれているのでぜひ実際にカメラを持って行ってみてくださいね。

原口:そんな法多山では今、年末のアルバイトを募集しています。お問い合わせは、「法多山名物だんご企業組合」までお願いします。

<DATA>
■法多山名物だんご企業組合 
住所:静岡県袋井市豊沢2777   
 TEL:0538-42-4784
組合情報
今回、お話をうかがったのは……望月やすこさん
静岡県内を中心に個人の撮影や取材撮影をするフリーカメラマン。撮影歴は20年以上。「人を笑顔にする撮影」と「面白いネタ探し」を得意とする。著書「子連れのタダビバ」シリーズ(静岡新聞社)では執筆も担当。ラジオ・テレビの出演など様々なメディアで活躍。公式ホームページ「フォーシーズン 望月やすこ」、インスタグラムもチェック。

 

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