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静岡新聞教育文化部

【池田20世紀美術館の「山内滋夫展 艸木蟲魚圖」】 雲がない空 「ベロ藍」想起

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、2024年1月9日まで、伊東市の池田20世紀美術館で開催中の「山内滋夫展 艸木蟲魚圖(そうもくちゅうぎょず)」。

山内さんは、近代洋画家里見勝蔵の孫。里見の指導で絵の道に入り、渡仏後にパリ国立美術学校を経てベルナール・ロルジュに師事した。美術館で行う初の回顧展。1980年代を境に、太い筆線による風景画が、エッジを効かせてあいまいさを排除した写実的表現に変貌。とてもスリリング。鮮烈な色彩と筆跡を残さない背景は2020年代に入っても変わらない。手前に置いた無機物が動き出すような錯覚を覚える。ほとんど雲がない空の青はベロ藍を想起。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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