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河治良幸

サッカージャーナリスト河治良幸

2024年に飛躍が期待されるサッカー“静岡県勢ベストイレブン”を選んでみた!!


新年ということで、2024年に飛躍が期待される”静岡県勢”ベスト11を、男女問わずに筆者の目線で選出した。

GKは常葉大→ジュビロ磐田の中島佳太郎

プロ入りの会見で決意表明した中島佳太郎


GKは常葉大からジュビロ磐田に加入した中島佳太郎だ。体格を生かした迫力あるセービングとハートの強さが持ち味で、磐田のアカデミー育ちでもある。新シーズンはJ2栃木SCへの育成型期限付き移籍が決まっているが、全日本大学選抜にも入っていた逸材が縁のある田中誠監督のもとでどう飛躍するのか。栃木は昨シーズンの守護神が移籍しており、フラットな競争で定位置奪取も期待できる。

右DF吉田真那斗(浜松開誠館高出身)のブレイク期待

アジア競技大会で準優勝に貢献した吉田真那斗


右サイドバックは有望なタレントが多く迷ったが、鹿屋体育大学から横浜F・マリノスに加入する吉田真那斗を選んだ。

浜松の出身で、浜松開誠館で中高を過ごした吉田は昨シーズン、キャンプ中の練習試合でマリノスの目に留まり、特別指定選手としてJ1の舞台も経験済。パリ五輪の候補選手でもあり、昨年はアジア競技大会で準優勝メンバーとなった。2024年を本格的なブレイクのシーズンにできるか。

CBはパリ五輪を目指すこの2人…

(写真左から)鈴木海音と古賀塔子


センターバックはジュビロ磐田の鈴木海音とJFAアカデミー福島から“なでしこジャパン”に招集された古賀塔子のセットに。パリ五輪イヤーとなる2024年だけに、2人とも本大会の出場が大きな目標になる。

鈴木は栃木SCから帰還した昨シーズン、なかなか出場機会をつかめなかったが、昇格をかけた最終節で、古巣の栃木を相手に存在感あるプレーを見せた。伊藤槙人や森岡陸とのポジション争いに打ち勝ち、4月のパリ五輪予選を兼ねるU-23アジアカップ、さらにパリ五輪に生き残ることができるか。もう一つの目標でもある、欧州挑戦を視野に入れたシーズンになる。

古賀は昨年のアジア競技大会で“女冨安”の声も上がるほど、圧倒的な対人守備と大ピンチを防ぐスーパークリアなどで注目を集めた。新年の6日に18歳の誕生日を迎えたばかり。「海外で通用する選手になる」という目標を掲げる古賀の進路は明らかになっていないが、同じくJFAアカデミー福島からなでしこジャパンに選ばれているMF谷川萌々子とともに、スーパーブレイクが期待できる年になりそうだ。

左DFは海外移籍の森下龍矢

左サイドバックは元日にタイ代表戦にも出場した日本代表の森下龍矢だ。掛川市の出身で、ジュビロ磐田のアカデミーで育った森下は名古屋グランパスからポーランドの名門レギア・ワルシャワに加入することで合意。世界一熱いサポーターの1つと呼ばれるクラブは自分の性格に合っていると語る森下はアジアカップのメンバーには入らなかったが、新天地での飛躍を代表入りにつなげるはずだ。

ボランチは磐田と清水の次代を担う2人

(写真左から)成岡輝瑠と藤原健介


ボランチはジュビロ磐田の藤原健介と清水エスパルスの成岡輝瑠というコンビに。

生まれも育ちも磐田という藤原はJ2が舞台だった昨シーズン、夏場にポジションを取りかけながら腰を痛めて戦線を離脱。終盤戦はなかなか復帰できずに苦しんだ。J1を戦う磐田で改めて、厳しいポジション争いは予想されるが、持ち前の柔らかさに力強さを加えた攻守のパフォーマンスに期待がかかる。

“アカデミーの最高傑作”とも期待された成岡は2度のレノファ山口への期限付き移籍を経て、本格的に清水でのレギュラー争いに挑む。ライバルは多いが、山口で一緒にプレーした矢島慎也の加入は心強い。

右MFは清水桜が丘高出身の大卒ルーキー前田翔茉

右サイドは常葉大から藤枝MYFCに入る前田翔茉を抜擢した。地元藤枝市の出身で、中高大と静岡で過ごした生粋の静岡県勢である。スピードと突破力のあるドリブルが武器で、昨年は特別指定選手として11月12日のいわき戦でJ2デビューを果たした。実質2年目となるルーキーイヤーで、クラブと共に飛躍を目指す新シーズンになる。

左サイドは静岡学園高出身でジュビロ磐田の古川陽介に注目だ。その才能はここで説明するまでもないが、昨年は守備面やプレーの持続力、周りを使う選択肢など、確かな成長が見られた。1ゴール1アシストに終わった数字をJ1でどれだけ伸ばせるか。ジュビロの主力として“残留以上”に導きたい。

2トップは“千葉コンビ”に

(写真左から)千葉寛汰と千葉玲海菜


2トップは磐田からベルギー1部のアンデルレヒトに移籍した後藤啓介やパリ五輪のメンバー入りが期待されるJFAアカデミー福島出身のFW植中朝日(横浜F・マリノス)など、今年の活躍が楽しみな候補は多いが、“千葉コンビ”になった。

清水エスパルスのアカデミー育ちである千葉寛汰は同期の松木玖生(FC東京)から“ザ・ストライカー”と認められた決定力の持ち主。徳島、今治での“武者修行”を復帰した清水でどう飛躍につなげるか。

藤枝順心のキャプテンを担った千葉玲海菜はジェフユナイテッド市原・千葉レディースで“千葉の千葉”として名前を売ってきたが、ついに海外移籍を決意。ドイツ・フランクフルトへの移籍が決まった。推進力のあるドリブルとパワフルなシュートを武器に、世界でどこまで飛躍していくのか。もちろん、なでしこジャパンではパリ五輪のメンバー入りと活躍が、今年の大きな目標になる。
シズサカ シズサカ

タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。サッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。世界中を飛び回り、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。

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