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SBSテレビ 静岡市歴史めぐりまち噺し

芹沢銈介美術館を訪ねる(その壱)

2023年8月27日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、芹沢銈介美術館を訪ねます。
語り:春風亭昇太

人間国宝となった染色家芹沢銈介の美術館が駿河区登呂にあります。
芹沢銈介は、明治28年、呉服太物卸商を営む大石家の次男として、静岡市の本通に生まれました。
現在の東京工業大学を卒業後、静岡に帰った銈介は、芹沢たよと結婚し、芹沢姓となりました。

芹沢銈介が染色の道を歩み始める大きなきっかけとなったのが、生涯の師となる柳宗悦、そして、沖縄の染物、紅型との出会いでした。
芹沢が作品の制作に用いたのは、古くから日本で行われてきた伝統的な染色技法である「型染」です。
「色彩と模様の天才」と呼ばれた芹沢は、従来の染色の枠組みにとらわれない、新鮮で創意あふれる作品を次々に生み出しました。

昭和31年、61歳で「型絵染」の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定されます。
昭和42年に2人目の静岡市名誉市民となった芹沢は、昭和53年に完成した静岡市民文化会館中ホールの緞帳のデザインも手がけました。

芹沢は、染色だけでなく絵や書、商業デザインなどを手がけるとともに工芸品の収集家としても見事なコレクションを残しています。
昭和56年には、作品およそ600点と収集品4500点が芹沢から静岡市に寄贈され、登呂公園の一角に芹沢銈介美術館が開館しました。
たよ夫人が亡くなった翌年の昭和59年、芹沢銈介は、88年の生涯を終えました。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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