予防医学的に日本女性は不思議!? 女性の健康課題を解決する「フェムテック」サミット参加レポート

みなさんこんにちは。FUJIYAMA BRIDGE LABの石岡美来です。普段は新規事業の開発に携わっており、生理の課題を解決するサービスを構築中です。

今回はフェムテックの理解促進を目的としたイベント「JAPAN FEMTECH SUMMIT 2024（一般社団法人日本フェムテック協会主催）」に参加しました。専門家や有識者の講演やセッションも開かれていたので、その様子をレポートします。

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MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナーのキャシー松井さんの基調講演で初めて耳にした「ウーマノミクス」という言葉。ウーマン（女性）とエコノミクス（経済）を掛け合わせた造語で、女性の活躍による経済の活性化、働き手や消費者として女性の力がけん引する経済のあり方を意味するとのことです。

MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナーのキャシー松井さん

松井さんは、共働き世帯が増える一方で女性管理職や役員比率が低い日本の現状を示し、日本が国際的な競争率を上げるうえで、決定権を持つ女性を増やすことが重要と話しました。

「働く女性のウェルビーイング調査からみたフェムテックの必要性」と題したセッションでは、EYJapan社の永吉正郎さんと予防医学研究者の石川善樹さんが議論しました。

働く女性とフェムテックをテーマに意見を述べる永吉正郎さん（中央）と石川善樹さん（右）

「フェムテックとウェルビーイングの関係をどう見ているか」という問いに、石川さんは「予防医学的に日本女性は不思議」と言及。ジェンダー平等の観点では日本は世界から遅れをとっている一方、女性の寿命は世界トップクラス。日本人女性は20代、30代の女性のウェルビーイング指数が低い一方、40代以降で海外と同じくらいの水準になるというデータがあると話し、「若い世代の指数が低いのは解決しないといけませんが、逆境を乗り越えた経験があることが、将来の幸福感につながっているのかもしれません」と推察しました。

「20、30代女性を抱える企業の課題は」という問いには、自身も会社員として部下を多数抱える吉永さんが「共働き世帯が増える中で両立支援は会社の責務」と話しました。社内座談会で、働く環境をよくするために何が必要かを問いかけた所、働く時間と場所がフレキシブルであることがトップに上がってきたという経験を例に「何が課題かをクリアにしたうえで、社員が求める就業環境をアップデートし続けることが必要」と力強く語りました。

家庭と仕事の両立など働く女性にとっては逆境とも言える環境かもしれませんが、年齢を重ねるとウェルビーイングが上がるというのは良いニュースかもしれません。企業の支援が入るとなお良い社会になるのではという可能性を感じました。

キーセッション「フェムテックで自分を社会をUPDATE」では、アーティストとして活躍し、フェムテック協会認定資格2級（認定フェムテックエキスパート）の資格を持つ伊藤千晃さん、デリケートゾーン用ソープ「モアディーテ」などを展開するD-Neeコスメティックブランドマネージャーの宇佐美朋美さんが意見を交わしました。

愛用のフェムテックグッズを紹介する伊藤千晃さん（中央）と宇佐美朋美さん（右）

宇佐美さんは、モアディーテに込めた思いとして「自分のケアをしているだけなのに女性が性器や性の話をすることのタブー感がある社会の雰囲気を変えたい」と話しました。

伊藤さんは、普段から使っているフェムテック・フェムケアグッズを紹介。「一人ひとりに合ったものを見つけるのが大切」とメッセージを送りました。

女性器を持つ人ならだれでも経験するはずなのに、生理や更年期障害はまだ触れてはいけないタブー感があります。海外では、女性の健康ケア商品の種類も豊富で、男女問わず目に触れる機会が多いそうです。フェムテック・フェムケアグッズが当たり前になることで女性がさらに生きやすくなることにつながるのではないかと感じます。