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独占!!ジュビロ磐田からベルギーに移籍した後藤啓介ロングインタビュー前編「成長ではなく成功するためにいく」


2023年12月31日夜。日本サッカー界の次代を担う18歳の若武者が世界に羽ばたいていった。昨季ジュビロ磐田でプレーし、ベルギーの名門アンデルレヒトに期限付き移籍した後藤啓介選手。パリ五輪出場も視界に入れるストライカーが描く「未来」とは…。

SBSテレビは昨年末、後藤選手と同じ飛行機でベルギーに渡り、現地のチームに合流するまでを密着取材した。「みなスポ」のジュビロ磐田担当ディレクター尾崎文哉が空港や新居でロングインタビューを行った。

その内容を2回に分けて紹介する。

成田空港 2023年12月31日


ーいよいよですね。
ワクワクが大きいですね。着いたらすぐ練習ですし、新しい仲間と切磋琢磨できれば成長できるような気がします。そんなに寂しいとかはないですね。

ー今の気持ちは?
帰るつもりはないという気持ちです。現役が終わるギリギリに日本に帰ってきて、ジュビロでプレーすることしか考えてない。本当にできるだけ長く海外でプレーしたいと思っています。

ー次に日本に帰ってこられそうなタイミングは。
パリ五輪も狙っているので…(分からない)。

ー次に日本に帰ってくる時は、どんな姿でいたい?
成長したなって全員に思ってもらえるようにしたい。サッカー以外のところでも、一回りも二回りも成長したなと思ってもらえるぐらい成長して帰ってきたいですね。

ーさらに成長するために海外に行くんですよね。
成長するっていうか、成功するためにいく。必ず何かを得て、自分に還元できるようなものを持って帰ってきたいと思います。

ベルギー・ブリュッセル空港 2024年1月1日


ー今の気持ちは。
やっとスタートラインに立てたという思いと、試合に出てこそスタートラインだという思い。ただ、やっと一つ夢が叶ったかなと思います。いろいろな壁がありますけど、頑張って乗り越えていきたいと思います。

ー機内での年越しでしたけど。
寝ちゃってて、気づいたら年越ししちゃってました(笑)

アンデルレヒト初練習前の車中

ー今からトレーニングが始まります。どんな気持ちですか。
自分の良さをたくさん出せるように初日から頑張りたい。選手やコーチとコミュニケーションをたくさん取らないと。すぐに練習試合があるので、いい調整ができればと思います。

ー昨夜はよく眠れた?
9時か10時ぐらいに寝て、7時半ぐらいに起きられたので、順調だったと思います。緊張は多少ありますけど、緊張してたら舐められて、やっていけない。舐められないことを意識して、自分から積極的にやっていきたいと思ってます。

ー外国人選手ばかりの中でプレーするのは初めてでは…。
自分は海外に行きたいと思っていたので、磐田の外国人選手たちとよく話すようにしてたし、外国人の特徴みたいなものは分かっているつもり。早く慣れていきたいです。

ー言葉の面での不安は感じる?
やっぱりそれはありますが、早く名前を覚えて、こっちから名前を言ってコミュニケーションを取れれば、向こうも受け入れてくれると思う。今日はとりあえず名前を覚えることを意識しています。

初練習後

ー初日、どうでしたか。
最初の練習にしては、コミュニケーションも取れていたし、悪くなかったです。みんな年齢が近くて、ほぼ18〜20歳。びびったら本当に舐められるので自分から行くしかないと思ってコミュニケーションを取ってました。

モジモジしてたら、「なんだ、こいつ」って思われる。今まで海外に行った選手がそういうふうに言ってたので、自分はそう思われないようにしたい。

ポゼッションの練習でも名前を呼んでいかないとパスが来ない。だから、名前を全員に聞いてメモしてきました。練習が始まる前にみんなに名前を聞いて。

ー初日からハードな練習でしたが。
こんなに初日から強度を上げるなんて聞いてなかった(笑)。もうバチバチ。強度がマジで違う。もう本当に削り合い。やばかったっすよね?ボールを見ずに思いっきり足とかに行くから。年齢は関係ない。今日は球離れを早くして、回避していた(笑)

プレスに行く迫力は監督が全員に対して言ってましたし、それができないとプレーを止めて指摘していた。選手たちもそれにちゃんと応えていた。

后君(ジュビロ磐田・松原后選手)が初日から削られるって教えてくれましたけど、日本じゃありえないような削り方があったし、ああいうバチバチの中で毎日過ごしたら本当にどんどん自分がレベルアップできるなと思いました。トップの選手たちがもっとハイレベルでやってるって考えたら、やばい。

もっともっと自分からアクションしないと。自分が目指してるのはトップチームなので、早くトップチームに行くにはもっともっと自分でアクションして、要求して、プレーで示していかないといけないなと思います。

初日練習後の新居

ー疲れている様子です。言葉が通じない疲れもある気がしますが。
それは間違いなくありますけど、慣れれば。言葉は1日目にしては聞き取れてるし、これから慣れてきて、たくさん話せるようになったらいいですね。

ー通訳を付けようとは考えなかった?
そんなお金ないですし、海外に来て、言葉は“壁”ではありますけど、でも逆に言うと成長できるところなので。せっかくこの年齢で海外に来てるし、違う自分も見つけるために通訳なしで行こうかなと思いました。

ーこの経験が今後の人生に役立つという考えも?
間違いなく役に立つし、引退して、自分と同じように若いうちに海外に行きたい人たちが現れたときに、絶対助けになれますし。

日本でプレーすることになっても、外国人が来日してコミュニケーションに困っていた時に自分が話せるっていうのはとてもプラスになると思う。

ーすごい。自分が18歳の頃を考えると、できない…。
今はスマートフォンのアプリもあるし便利になったので、そんなに心配しないでもらって大丈夫です(笑)

誰も行ったことがない道に行く方が楽しいじゃないですか。人が敷いたレールっていうか、みんなが行ったような道に行ったところで、多分みんなと同じような経験しかできないので。

もちろんいろんな障害がありますけど、そこを乗り越えたらまた一回り大きくなれる。楽しいっすね。人と違うのが自分の良さなので(笑)

ー寂しさはないですか。
いやあ、多少ありますけど、オフには帰国できるし。どの選手もトップチームに行くためにやっている。もう寂しいとか言ってる場合じゃないから。毎日戦いなんでね、本当にサバイバル。今日見て思ったっす。毎日戦いだと。

ーボソッと寂しいって言いましたけど(笑)
言ってました? 気のせいですよ。気のせい(笑)。でも、それは多少はあります。本当に毎日同い年のユースのやつらと一緒にいたので。こっちでは1人ですからね。(磐田ユースの仲間に)マジで電話かけようかな(笑)。出てくれることを祈って。

ースパイクは何足ぐらい持ってきたんですか。
日本に3つ置いてきたので、9か10ぐらい。取り替え式でもピンが違うとか。いろいろ試しながらやりたいなと思っています。今日も人工芝でめっちゃ滑ってました。

ースパイクにはこだわりがあるんですか。
やっぱり履きやすさ。市販で買うなら、自分にとってはミズノが一番。軽さ、フィット感…。白黒のスパイクも悪くないけど、色付きのほうが格好良いですよね。

靴の中敷き、何でこんなにいっぱい持ってるか、知りたいですか?スパイクマニアぶりが出ちゃうんですけど、このスパイク「ネオ4」の中敷きは、ザラザラ感がないんですよ。なのでミズノさんに頼んで「ネオ3」のザラザラがある中敷きをくださいとお願いしました。

スパイクって足と同じぐらい、自分のプレーに関係してくるので大事にしてるし、単純にめっちゃ好き。こっちで、いろんなスパイクを買おうかなって思っています。

これは今、自分がはまっている好きなキャラクター「スケータージョン」。最近、めっちゃかわいいなと思ってて。携帯ケースも買い物袋も、Tシャツも色違いで持ってます。

ー色にはこだわりがあるんですか。
めちゃめちゃ青が好きで、自然と青を買っちゃいます。何を買うにしても。

これ、静岡県のみんなが見るんですよね。恥ずかしいなあ。ジャメ君(ジュビロ磐田・ジャーメイン良選手)とかに見られたら、いじられそうだなあ(笑)

<聞き手・尾崎文哉>
静岡放送入社3年目。SBSテレビ「みなスポ」のジュビロ磐田担当。元清水エスパルスの河井陽介選手らに憧れて藤枝東高に入り、2015年度には左サイドバックで全国高校選手権出場。25歳。静岡市出身。
 
シズサカ シズサカ

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