更新日：2024年4月23日

藤枝東高サッカー部の“万能型DF”村上樹主将「僕たちには責任がある」創立100周年の節目に全国出場誓う

サッカーのU-18プリンスリーグ東海で藤枝東が開幕3連勝で首位に立っている。チームをまとめるのはセンターバックの村上樹（いつき）主将。「今年は学校創立100周年を迎える年。全国優勝を取りにいくんだという気持ちでやっている」。伝統の重みをかみしめながら戦っている。

セレッソ大阪のアカデミー出身で、小学時代は大阪府トレセンに選ばれていた。アカデミーの先輩で、昨年藤枝東の10番をつけていたMF渡辺皐（日大）の背中を追い、大阪から伝統校の門をたたいた。

「自分がパスサッカーを好きだったことと、サッカーも勉強も高い意識でやれると思い、文武両道の藤枝東を選んだ。今の自分はできていないかもしれませんけど…（笑）」

元々はボランチを主戦場にしていた選手。足元の技術が高く、高さがあるわけではないが空中戦にも強い万能型ディフェンダーだ。

昨年センターバックにコンバートされ、全国高校選手権県大会では2年生ながら「優秀DF」に輝いた。「派手さはないが、何でもできる。今のチームに欠かせない存在だ」と小林監督の信頼も厚い。

忘れられない痛恨のシーン

村上の頭にこびりついて離れない苦い記憶がある。昨年の全国高校選手権県大会決勝で、自分が相手攻撃陣にかわされて失点したシーンだ。静岡学園に1−2で敗れ、藤枝東は3年連続「あと1勝」で涙を飲んだ。

「その時から、当たり負けしないように体作りから見つめ直してきた」。食事量を増やし、体幹を鍛え、トレーナーのサポートも積極的に受けるようになった。

プリンスリーグ3連勝も「内容まだまだ」

県新人戦では４強止まりだった藤枝東だが、４月に開幕したプリンスリーグでは富士市立に5−1、浜松開誠館に3−2、浜名に2−1と3連勝。総体や選手権の全国切符を争うことになるライバルを相手に勝負強さを見せている。

全国高校選手権25度、全国総体13度の出場を誇る名門も、全国選手権は2015年度、全国総体は2018年度を最後に遠ざかっている。

村上は「伝統校のちょうど100周年で、多くのOBの方々が期待してくれている。僕たちには責任がある」と言い切る。プリンスリーグ3連勝にも、「結果だけがついてきている感じで、内容はまだまだ」ときっぱり。浮かれることなく、名門復活を目指すチームを引っ張っている。