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【静岡県内外で広がる『輪行』】線路沿いの一本道に古い駅舎、小国神社で参拝…。天浜線を組み込んだ遠州サイクリングの魅力を紹介!

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「静岡県内外で広がる『輪行(りんこう)』」です。先生役は静岡新聞の山本淳樹生活報道部長が務めます。(SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」 2024年5月9日放送)

5月は自転車月間!

(山田)今日は山本さんお得意の自転車の話題ですね。

(山本)5月は自転車月間なのでテーマに取り上げてみました。

(山田)静岡県内でも大きなイベントが3つほど予定されているようですね。

(山本)そんな中、多くの方が列車や電車などの公共交通機関に自転車を持ち込んで乗車し、旅先でサイクリングする「輪行」を楽しんでいるようです。

(山田)本当にいい季節ですよね。静岡新聞でも自転車の特集を展開していますね。

(山本)そうですね。自転車はアウトドアというキーワードとは切っても切れないので、5月8日付の「しずおかアウトドアファン」のコーナーで取り上げました。ガイド付きのサイクリングツアーイベントの中に「輪行」を組み込んだコースがあったので紹介します。

(山田)鉄道などに自転車を持ち込んでサイクリングをするということが前提のルートなんですね。

(山本)昨年もこのコーナーで少し触れた「ゆるゆる遠州ガイドライド」のイベントです。中東遠を拠点に活動している皆さんが、天竜浜名湖鉄道(天浜線)を組み込んで設定したコースを紹介しました。掛川市を発着点に、行きは森町まで自転車に乗り、列車で帰って来るというルートです。

(山田)へぇー。見どころを教えてもらえますか。

(山本)今回は同僚の記者が自転車に乗って参加者に同行しました。

(山田)山本さんは?

(山本)私はちょっと写真を撮るために車で先回りしていました。

(山田)出たー、山本さん!(なんで自転車に乗らないんですか)。

(山本)いや、仕事なので仕方ないんです。

(山田)それは仕方ないですね(笑)

天浜線沿いの「田園滑走路」。列車との並走も楽しめる!

(山本)掛川から森町まではそれほど起伏がない道です。途中に「田園滑走路」と呼ばれる道があります。天浜線の線路が延びていて、すぐ脇に田んぼが広がっています。3キロほど続く真っ直ぐな一本道で、タイミングがいいと列車と並走したりもできます。そんな道を通りながら、天浜線の古い木造の駅舎に立ち寄って見学します。

(山田)昔のままの駅がいくつかありますよね。

(山本)この辺りでも原谷駅や遠州森駅の駅舎は国の登録有形文化財になっています。昔の風情そのままの駅舎を見学したり休憩したりしながら、森町の方へ進みます。

(山田)小国神社も通るんですね。

(山本)そうですね。森町といえばやっぱり小国神社。

(山田)いいですねー。

(山本)神社では自転車を止めて、新緑の中を参拝をしていました。すごく楽しそうでしたね。

(山田)鉄道が走ってるところは自転車も走りやすいと言いますもんね。掛川をスタートして、自転車では天浜線の駅で言うとどこまで行ったんですか?

(山本)小国神社やもう一つの目的地であるアクティ森という施設は天浜線からは少し離れているんですが、そこから遠州森駅まで戻って列車に乗りました。この日は鉄道会社がイベントのために特別車両を一両用意してくれたので、参加者は自転車をたたまずに乗り込んでいました。

(山田)基本はたたまないとだめですもんね。

(山本)基本的には袋に入れ、他のお客さんの邪魔にならないように分散して乗るなどのマナーを守る必要があります。この日は特別にそのまま列車に乗って帰ってきましたが、掛川市役所前駅まで乗車時間はわずか20分ほどでした。

鉄道会社によって持ち込みルールは異なる!

(山田)自転車を公共交通機関に乗せる場合は分解したり折りたたんだりして袋に入れなきゃいけないんですよね。

(山本)そうですね。「輪行袋」と呼ばれています。スポーツタイプの自転車などは分解できますよね。

(山田)車輪が外れるやつですよね。

(山本)逆に言うと、折りたためない通学用とか買い物に使うような自転車はちょっと厳しいかもしれませんね。

少し調べてみたところ、県内にはいくつも鉄道会社がありますが、自転車の持ち込みルールは会社によって異なっていました。袋に入れるというのは原則なんですが、JR東海とJR東日本の在来線は、袋に入れれば追加料金なしで持ち込めます。

(山田)ちょうど今、リスナーさんから質問も来ました。「手荷物料金はかかるんですか?」という内容ですが。

(山本)私も初めて知ったんですが、会社によって違って、例えば静岡鉄道や大井川鉄道は数百円程度の手回り品切符が必要です。

伊豆箱根鉄道や伊豆急行は、自転車を分解せずそのまま乗車できるサイクルトレインのサービスを実施しています。いずれも乗降できる駅や対象となる車両と時間帯、乗車可能台数、自転車を置く位置が決まっているので注意が必要です。

(山田)さすが伊豆ですね。自転車の聖地でもありますからね。

(山本)天竜浜名湖鉄道は、輪行袋の貸し出しサービスを実施しています。借りるときに保証金を渡し、返却するときにはお金が戻ってきます。

(山田)貸し出しもしてくれるんですか。

(山本)有人駅間で乗降する場合に限るんですが、そういうサービスを行っているようです。

(山田)便利ですね。自転車に乗るときに袋が邪魔だという話も聞きますからね。

(山本)袋を持っていくのが嫌なので輪行はしないというサイクリストもいますね。

(山田)県外はどうですか。

千葉県内には輪行専用列車も!


(山本)実は輪行は愛好者が多く、達人のような方もいます。かつて静岡新聞で掲載した連載「輪行のススメ」を執筆した自転車旅ライター・土庄雄平さんは、船で渡った先の離島でのサイクリングを紹介していました。いろいろな楽しみ方ができるということです。

雑誌でも特集をしてします。それを読んでいたら、東京都内を走る電車にもサイクルトレインがあったり、JR東日本は千葉県内を走る自転車旅専用のサイクルトレイン「B.B.BASE」を臨時で運行しています。調べてみるまで知らないことばかりで新鮮でした。

(山田)輪行が楽しみという方も結構いるんですね。僕も広島の尾道でレンタサイクルを借りて船で瀬戸内海の島に渡り、サイクリングロードを走ったことがあります。

あと、電動アシスト付きの自転車を飛行機に持ち込む場合はちょっと注意が必要だと聞いたことがあります。バッテリーを機内に持ち込めないケースがあるようですから、その辺りは気をつけていただきたいですね。

(山本)そうですね。お出かけされる前に調べておくといいのではないかと思います。

(山田)でも、今日お話を聞いたら、思ったほど輪行はハードルが高くないという感じがしました。

(山本)そうですよね。静岡市内にいると普段はあまり見かけませんが、伊豆の方に行けば楽しんでいる方がいたりします。鉄道などである程度の所まで行き、その先を自分の自転車でゆっくり回るのは新しい旅の楽しみ方だと思います。車とも違いますし、徒歩に比べると行動範囲は広がりますからね。私もやってみたいなと思いました。

(山田)やってみたいな、じゃないですよ!次はぜひ実体験の話を聞かせてください(笑)。

(山本)昨年もお話ししましたが、伊豆がオリンピックの会場になったことで自転車に注目が集まりました。静岡県知事は代わりますが、新しい知事にも五輪のレガシーというか、自転車を楽しめる環境や文化はぜひ残していってもらいたいなと思います。

(山田)ルールマナーを守りながら楽しんでもらえたらいいですね。今日の勉強はこれでおしまい!

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