知床緊急通報システムの運用開始 小型観光船、今季営業スタート

 北海道・知床半島を巡る小型観光船を運航する業者は28日、今季の営業開始に合わせ、人工衛星を使った位置情報を利用し、海難時にすぐに救助を呼べるシステムの運用を始めた。乗客・乗員計26人が死亡、行方不明となった沈没事故から2年となり、知床小型観光船協議会の神尾昇勝会長は「引き続き安全第一に努める」と話した。
 首にかけるストラップの付いた防水仕様の端末にあるボタンを押すと、衛星利用測位システム(GPS)を使った位置情報と携帯電話の電波を使って、近くにある船に救助要請を発信する仕組み。札幌市の通信機器会社「よびもり」が開発した。
 乗客用の端末がそれぞれ準備されており、希望者は追加料金を支払って使用するが、運用初日は、よびもりがサービス代金を負担した。神尾会長は「特に不安が強い方に利用してもらえれば」と話している。
 沈没事故は2022年4月23日に発生。北海道斜里町のウトロ港と知床岬沖を往復する観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没し、乗客乗員20人が死亡し、6人が行方不明となった。

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