熱海土石流 復興計画、丁寧に進める 市長、年度内にこだわらず 

 熱海市の斉藤栄市長は21日の定例記者会見で、大規模土石流に見舞われた伊豆山地区の復興計画について「住民の気持ちが非常に大切であり、そこを無視してつくることはできない」と述べ、本年度中を目標にしていた策定スケジュールにこだわらず、丁寧に進めると強調した。

復興計画の策定に向けて住民との対話姿勢を強調する斉藤市長=熱海市役所
復興計画の策定に向けて住民との対話姿勢を強調する斉藤市長=熱海市役所

 復興計画は、被災地全体の方向性を示す基本計画、具体的な用地測量や設計に基づくまちづくり計画、さらに詳細な事業計画の3本で構成する。市は当初、基本計画とまちづくり計画を本年度中に策定する方針だった。
 しかし、まだ現実を受け入れられない遺族、被災者が多くいる中で具体的な作業に入っていける段階にないと判断し、時間をかけて住民の声を聞くことを優先するとした。
 復興計画の策定は国の補助を受けて進めるため、市は今後のスケジュールについて国と相談するという。斉藤市長は「計画は市役所がつくるのではなく、住民と一緒につくるもの。環境が整わなければ無理に進めることはできない」と述べた。
 (熱海支局・豊竹喬)

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